釧路局が小中管理職等候補者育成方針 キャリアプラン意識化 教委等と連名 初の策定(道・道教委 2020-07-08付)
【釧路発】釧路教育局は、管内小中学校管理職等候補者育成方針を初めて策定した。管内の市町村教委、校長会、教頭会との連名で策定したもの。校長の大量退職などに伴い、管内では管理職等候補者の育成が急務となっていることから、ミドルリーダー、教頭、指導主事等、女性管理職の育成に向けた具体的な取組として13項目を示した。各教員が自身のキャリアプランを記載し、意識化する人事評価シート添付様式の追加や、教頭昇任候補者リストの作成および共有などを盛り込んでいる。
管内では、これまでもミドルリーダー、教頭候補者などの育成に向けた取組が進められてきたが、来年度以降5ヵ年にわたって毎年10数人の校長が定年退職する見込みとなっているほか、ここ数年、教頭候補者選考検査の受検倍率が低迷していることから、次世代の管理職の発掘・育成が急務となっている。
そのため、釧路局は、その具体策などを示す方針を管内の市町村教委、校長会、教頭会と連名で策定することとした。ことし5月に原案を市町村教委、校長会、教頭会などに示して意見を聴取。7月2日に開催した方針策定会議で修正案を審議し成案化した。
方針では取組に当たっての視点として、「キャリアステージに応じて求められる資質・能力の育成」「学校における働き方改革の推進」を提示。この視点に基づき、具体的な取組をまとめた。
具体的な取組は、ミドルリーダー、教頭、指導主事等、女性管理職を育成する観点で策定。従前からの取組を継続・充実させる8項目、新たな取組として行う5項目の計13項目を挙げた。
具体的な取組の概要はつぎのとおり。
▼ミドルリーダーの育成
▽釧路教育研究所・釧路教育研究センターと連携した研修機会の確保
▽各種研修会等への参加の促進および研修内容の充実
校外で行われる研修会、研究団体等への参加を促進。働き方改革の内容を研修に盛り込む。キャリアステージに応じた資質・能力向上が図られるよう研修内容を工夫する。
▽広域人事や教育大附属学校との人事交流の促進
▽各種研修事業等における教育大との連携
教育大釧路校と連携して実施しているテクニカルサポート等の事業活用を促す。教員を教職大学院に派遣するなどして資質・能力の向上に努める。
▽人事評価におけるキャリアプランの意識化―新たな取組
教育局は、人事評価シートに「これからのキャリアプラン」を記載する添付様式を追加する。校長は各教員等に記載を促し、意識付けを図る。教育局は各教員等のキャリアプランを考慮した人事配置に努める。
今後、様式を検討し、9月ごろ教育局から市町村教委に通知する予定。
▼教頭候補者の育成
▽管理職の魅力・やりがいの啓発
▽教頭昇任候補者の情報共有―新たな取組
教育局は、管理職員等候補者リストを作成するとともに、市町村教委と情報共有を図る。校長はリストを活用するなどして、候補者に対して受検を働きかけるとともに、候補者の人事異動に際しては関係する校長間で情報の引き継ぎを行う。
リストは、義務教育指導監や指導主事の学校訪問での情報をもとに作成し、9月ごろ市町村教委と情報共有する予定。
▽教頭の負担軽減―新たな取組
・教頭業務の見直し〓市町村教委、教育局は、教頭会を通じて意見を聞く場を設けるなどして改善策を協議し、校長に対し教頭業務軽減を働きかける
・昇任教頭の業務マニュアルの作成〓昇任教頭が円滑に職務を遂行できるよう、校長会・教頭会、市町村教委、教育局等が連携して作成する。来年3月の発行を目指す
▼指導主事等候補者の育成
▽候補者リストを活用した働きかけ―新たな取組
管理職員等候補者リストを活用して指導主事等への受検の働きかけを行う。道教委は、指導主事を受検しやすい人事配置等を行うことを昨年通知しており、この周知に努める。
▼女性管理職候補者の育成
▽教務主任等への積極的な育成・登用
▽人事上の配慮
子育て等で勤務地が限定される職員が管理職員に昇任する場合は、可能な限り通勤圏内の学校への配置を行うほか、必要に応じて配偶者の勤務地にも配慮した人事を行う。
▽女性を対象としたミドルリーダー研修会の充実
女性管理職との意見交換を行う場の設定や、民間講師を活用するなどして研修内容を充実させる。
▽茜の会と連携した女性ミドルリーダーの育成―新たな取組
釧路女性教育関係者相互交流のつどい「茜の会」から意見を聞く場を設けるなどして、茜の会と連携し女性ミドルリーダー育成に努める。
(道・道教委 2020-07-08付)
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