道文化財保護審議会　大綱案を答申　管理体制整備など６方針　アイヌ文化財の活用促進

（道・道教委 2020-07-15付）

　道文化財保護審議会（大原雅会長）は、北海道における文化財保存活用大綱案をまとめ、道教委に答申した。文化財の保存・活用の方針として「維持・管理体制の整備」など６点を掲げ、アイヌ民族に関する文化財の保存・伝承と活用の促進、関係機関や団体との連携による文化財の保存・活用の推進体制を示した。８月の教育委員会で決定する。

　大綱は、市町村への支援や災害発生時などの対応を含めた道における文化財の保護・活用に関する総合的な施策の方向性や、根本となる方針を定めるもの。

　道教委は、附属機関である道文化財保護審議会に大綱策定を諮問。審議会は昨年１２月から審議を開始し、パブリックコメントを経て、６月中旬に答申した。

　大綱の基本理念として、文化財を「まもり」「はぐくみ」、地域の資源として「いかす」ことを設定。

　文化財の保存・活用方針として、①維持・管理体制の整備②後継者・指導者の育成③地域資源としての活用④道民の理解促進・積極的な公開⑤民間団体等との連携⑥文化財保護行政の推進力強化―を掲げている。

　そのうち、②では「地域の歴史や文化財に関する児童生徒の理解促進」「地域の文化財を活用した学校教育に対する支援」を挙げている。

　アイヌ民族に関する文化財に関しては、保存・伝承と地域資源としての活用を促進することで、保存・活用の好循環を促すなどとした。

　このほか、各市町村が策定する文化財保存活用地域計画策定の支援、防災・災害発生時・復旧における取組と対応の方針を記載。道教委、道の関係部局、市町村、民間団体などとの連携による文化財の保存・活用の推進体制を示した。

(道・道教委 2020-07-15付)