道教委 端末整備で懇談会 生徒1人1台実現へ 秋ころに道立高校の計画案
(道・道教委 2020-07-16付)

道教委端末環境実現有識者懇談
大学、企業、高校などの関係者8人が出席

 道教委は15日、道庁別館で高校における1人1台端末環境の実現に向けた有識者懇談会を開いた。出席者からは、BYOD(家庭用端末の学校への持ち込み)の活用、端末・ルーターの貸与など低所得層への支援を求める声が上がった。これらの意見を踏まえ、秋ころに高校の1人1台端末の整備に向けた取組計画案を策定する。

 懇談会は、道立高校における1人1台端末の実現に向けた今後の検討の参考となるよう、有識者から意見を聴取するもの。大学、企業、高校、PTA団体の関係者8人が出席した。

 山本純史学校教育局指導担当局長があいさつ。小・中学校における1人1台端末の整備が進む一方、国では高校における整備の支援が示されていないことを踏まえ、早期に本道における端末整備の方向性を示す必要性を示し、きたんのない意見を求めた。

 唐川智幸高校教育課長兼ICT教育推進課長がGIGAスクール構想によって実現する新しい学びの在り方を説明。高木順一教育環境支援課長は、本年度中にすべての道立高校と特別支援学校(高校段階)の全普通教室、職員室、特別教室でWi―Fi環境が整備される見通しを示し、通常授業でのクラウド活用が新しいスタンダードになるとした。

 意見交換に入り、道教委から端末整備の費用試算や他都府県の状況を説明。道立学校の全生徒に端末を整備する場合、初期設定などを含め、総額で約40億円となる試算を示した。

 有識者からは、道外の状況、ICT技術の進歩や学校の統廃合などを踏まえ「個人の端末を利用するBYODの活用も視野に入れるべきではないか」との意見が挙がった。

 ネットワーク環境の整備に関しては、家庭への端末やルーターの貸し出しなどの支援を求める声が多く上がった。

 高校やPTA団体の関係者からは、ICT環境が整っていない家庭が多くある実態を踏まえ、学校に来られない場合を想定した早急な支援を求める声があった。

 山本局長は、保護者が負担する場合にあっても、低所得者層への支援が必要であることを示した。

 このほか、クラウドサービスを活用する際の情報セキュリティを確保するため、道教委や自治体が児童生徒のIDの管理を行うべきとの意見、ICT活用に向けて現場の教員の困り感を把握する必要性が指摘された。

 道教委は今後、高校生の端末の保有状況や活用ニーズを把握した上で、今回の意見を参考に、秋ころに高校の1人1台端末の整備に向けた取組計画案を策定。10月ころに第2回の懇談会を開き、年度内に方向性を示す。

(道・道教委 2020-07-16付)

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