道教委 小中一貫教育サポート 中学校の学びをイメージ 岩内第一中教諭 岩内東小乗り入れ授業(学校 2020-07-20付)
佐渡教諭による5年生算数の授業
【小樽発】道教委の学力向上事業「小中一貫教育サポート事業」の指定地域・岩内町で9年間の義務教育を見据え、中学校の教諭による専門性を生かした小学校乗り入れ授業が始まった。14日には岩内第一中学校(田中孝二校長)の英語と数学の担当教諭が岩内東小学校(齊藤信之校長)を訪問し、5・6年生を指導。児童は中学校における学びを想像しながら授業に集中していた。
事業は、中学校区における目指す子ども像の設定、小・中学校の教職員・保護者・地域住民による共有、小・中学校9年間を通じた教育課程の編成・実施など、地域の実情に応じた小中一貫教育の導入・円滑な実施への取組を支援することで、義務教育の質の向上を図ることが目的。本年度から3ヵ年計画で進める。
目指す子ども像を「ふるさと岩内を愛し、志高く夢の実現に向かう」と設定。岩内第一中を拠点校に、教員が岩内東小と岩内西小学校の5・6年生の英語・数学・理科の3教科を中心に乗り入れ授業を行っている。
当日は、岩内第一中の佐渡穂菜美教諭と鈴木梨沙教諭が岩内東小を訪問。数学担当の佐渡教諭が5年生、英語担当の鈴木教諭が6年生を指導。
佐渡教諭は前時の復習から始め、ひし形、正方形、長方形、平行四辺形、台形の対角線で分けられた2つの三角形が合同になるか確認した。
次いで、本時の課題「合同な三角形を書こう」を提示。ルールとして、できるだけ少ない条件で調べること、長さを図るときには定規を使わずコンパスを使うこととした。児童はコンパスを使って合同な三角形をプリントに書き込んでいった。佐渡教諭は個別に答え合わせをしながら、ほかの書き方がないかアドバイス。担任の中野大輔教諭も個別にサポートした。
最後に児童は教室内を周り、解答を交流。佐渡教諭は「自分の考えを自分の言葉で伝えること、ほかの人の意見を取り入れることは中学校でも大切」と呼びかけ、中学校の学習につながることをイメージさせた。
英語の授業では、鈴木教諭が「日本の食べ物、自然、行事、名所の言い方を理解しよう」をテーマにALT(外国語指導助手)と共に指導。
児童はALTの発音やCDの音声を聞き、学習に取り組んだ。
今後、岩内町では小・中学校合同の研究会を計画しているほか、次年度は小学校での教科担任制、3年次目は小・中学校教諭の相互乗り入れ指導を行う予定。
岩内第一中の田中校長は「算数・数学、理科における単元のつまずきのポイントを表にし、小・中学校の指導の関連性を情報共有したい。英語では本町を発信する表現のポイントをまとめたい」としており、その成果を全道に発信する考え。「生徒のつまずきを知っている中学校教諭が5・6年生を指導することで、苦手意識やつまずきを乗り越えるになる」と話していた。
岩内東小の齊藤校長は「新鮮味をもって集中して学習している。今学んだことが中学校のどこにつながるのか、学びの先をイメージできるようになってきた」と手応えを感じている。
(学校 2020-07-20付)
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