衆議院文部科学委員会で文科相　教員免許法改正へ準備　わいせつ行為等再犯防ぐ

（道・道教委 2020-07-28付）

　萩生田光一文部科学大臣は２２日の衆議院文部科学委員会で、教育職員免許法の早期改正に向けて準備を進める考えを示した。教員が児童生徒にわいせつ行為を行い懲戒免職となった場合、３年経過すれば免許状を再取得できる制度を見直すもの。対象教員の情報開示も３年に限定されているなどの問題点も含め検討し、再犯の連鎖を断ち切る必要性を示した。

　政府は６月、性犯罪・性暴力対策強化のための関係府省会議を開き、性犯罪・性暴力対策の強化の方針を策定。

　令和２年度から４年度までを性犯罪・暴力対策の集中強化期間と定め、児童生徒へのわいせつ行為を行った教員は原則として懲戒免職とすること、告発を遺漏なく行うことを徹底するよう教育委員会に指導する方針を示した。

　現行の制度では、教員が児童生徒に対するわいせつ行為によって懲戒免職処分を受けて教員免許を失効した場合、欠格期間となる３年を経過後、再び免許状の取得が可能となっている。このため、現行の制度を厳しく見直すとし、保育士等も同様の対応を検討し、必要な環境の整備を図るなどの方針を示した。

　２２日の衆議院文部科学委員会で萩生田大臣は「児童生徒を守り、育てる立場にある教師が児童生徒にわいせつ行為を行うことは決してあってはならない」とし、より厳格な仕組みに変える必要性を挙げた。

　情報の開示期間も３年間に限定されていること、処分の経歴を異動資料に記載しない実態があることなどの問題点も指摘し、再犯の連鎖を打ち切る必要性を強調。

　教育職員免許法の改正に向け、法制上の課題などを整理しているとし「できるだけ速やかな法案提出を念頭に、しっかりと（検討を）進めていく」と述べた。

(道・道教委 2020-07-28付)