職場の声から要求を 道高教組定期大会で尾張中央執行委員長あいさつ
(関係団体 2020-07-30付)

尾張執行委員長尾張聡
尾張聡執行委員長

 道高教組第122回定期大会における、尾張聡中央執行委員長のあいさつ概要はつぎのとおり。

 この大会の議論の中心は、「新型コロナウイルスでの社会と学校の混乱の渦中にあって、その先に何をみるか」という大きなテーマである。

 「暑い夏にマスクをして、友達との距離を保って、急いでたくさん勉強する。考えただけで息苦しくなり、学校に行くのがつらいと感じる。僕たちはロボットではない」という、全教が紹介している福岡の小学6年生の声は、私たちの身近にいる生徒たちも同じことを感じているのではないか。

 感染が再び拡大し、過去最高に達する中で、政府の対策は、GoToキャンペーンにみられるように無策と迷走を繰り返している。

 しかも、私たちが取り組むべき課題はそれだけでなく多岐にわたる。

 文部科学省は、来年4月から1年単位の変形労働時間制の導入をねらい、7月17日に省令と条例案を出した。この秋以降、私たちと道教委との間で、このことが最大の争点となることが予想される。超勤隠しの変形労働時間制を学校に導入することは許されない。

 解決策は「せんせいふやそう」である。この点でも、ことしの教育署名には特別の意味がある。

 いくつかの点に絞って述べたい。

 まず、このコロナ禍で、現場から上がった切実な声から運動が進み、政治や行政を動かしてきたことを確信として共有したい。

 いったん閣議決定した補正予算案を組み替えさせて10万円の一律給付金が実現したことはその例だが、何より「40人学級ではソーシャルディスタンスは保てない」「分散登校の20人学級はよかった」という学校現場から上がった切実な声から、半年前までは私たちも想定していなかった20人学級を求める運動が全国的なうねりとなり、全国知事会が国に少人数学級を要望し、政府の教育再生実行会議でも少人数学級が議論されるところまで来ている。

 この運動が全国に広がる上で、北海道の運動が先進的役割を果たしたことも確かである。

 さらに、特別支援学校の過大・過密を解消することは、感染リスクの高い障がい児の命にかかわる問題であり、設置基準を策定することは、ますます急務になっている。

 2つ目は、そのことと表裏の関係になるが、コロナで社会の根本にある歪みがくっきり浮かび上がったということである。

 40人学級では、ゆきとどいた教育はできないし、すべてが自己責任という新自由主義では、命も暮らしも守れないことが明らかになっている。

 教育の世界では、学習指導要領を不磨の大典として絶対視しては危機に対応できない。目の前の子ども・青年の成長と発達に責任を負う現場の教職員の専門性こそ尊重されるべきだということが、今ほど明らかなときはない。

 安倍政権や道教委の政策を「おかしい」と感じる人々は増えている。そこで職場から声を上げるのは組合の役割である。

 民間では、コロナ禍での休業補償などをめぐっても、職場に組合があるか否かで大きな違いが出たとも言われている。「おかしいと思わないか」という対話から、「組合に入ってほしい」という訴えを秋から年末にかけてみんなでやろう。そのためにも、高教組の取組をみせることは重要である。

 コロナの影響で集まる場をつくれず、組合員拡大は出遅れている。ことしならではの工夫が必要である。大人数で集まれない分、職場単位での対話が重要となる。

 組織拡大のリスタートは、どうしても取り組まなければならない課題である。

(関係団体 2020-07-30付)

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