道教委 高校魅力化手引の素案 進路実現へ学びを保障 地域との連携・協働体制も(道・道教委 2020-08-07付)
道教委は、仮称『地域創生に向けた高校魅力化の手引~高校と地域の協働を進めるために』素案をまとめた。多様な進路を実現する学びの保障の方策として、学力の定着に向けた小・中・高校の連携による相互の乗り入れ授業など、高校の魅力化に関する具体的な取組を記載。地域との連携・協働に向け、コミュニティ・スクール(CS)の導入や連携組織(コンソーシアム)の整備など推進体制を示した。年内の完成を予定しており、来年度からすべての道立高校等で魅力化に向けた取組を推進。4年度に取組を検証する。
手引は、国における地域創生の施策の方向性や、道総合教育大綱、道教育推進計画、第2期道創生総合戦略を踏まえ、地域創生に向けて高校の果たす役割や、本道における高校の魅力化に向けた具体的な取組を示すもの。道立高校と道立中等教育学校後期課程などが対象となる。
素案では、学校の魅力化について、「生徒や学校、地域の実態を踏まえ、社会の変化や生徒の多様な学習ニーズに対応した教育活動を展開することによって、生徒の自己実現に寄与することができる高校づくりを推進し、生徒から選ばれる学校になる」ことと定義した。
この基本的な考え方に基づき、「生徒や保護者にとっての高校の魅力化」と「地域にとっての高校の魅力化」の2つの側面から整理し、学校と地域の連携・協働の在り方、高校の魅力化に関する具体的な取組などをまとめている。
学校と地域の連携・協働の在り方については、地域と共にある学校づくりなどを目指し、推進体制の構築にCSの導入や、2つ以上の個人、企業、自治体等からなるコンソーシアムの構築などを盛り込んでいる。
高校の魅力化に関する具体的な取組については、①学校の状況や課題、地域の要望等の把握②多様な進路を実現するための学びの保障③地域を学びの場とした教育活動の推進④教育環境の整備⑤高校の魅力化に関する情報発信および検証・改善―の5点を挙げた。
このうち、②では、大学等への進学から就職まで多様な進路希望に対応できるような幅広い教科・科目の開設など、生徒の興味・関心や多様な進路に応じた教育課程等の編成・実施等の取組を記載。
ほかにも、小・中・高校が連携した相互の乗り入れ授業や授業研究(公開授業等)、義務教育段階の学習内容の定着を図る学校設定教科・科目の開設など、道内の高校の実践から抽出した取組をまとめている。
手引を活用した高校魅力化の取組は3ヵ年とし、本年度は手引について周知する期間と位置付け、可能な取組から実施できるよう、校内体制等の整備や具体的な計画を立案する。
2年目は、すべての道立高校等で取り組む。年度末には、道教委が取組状況を把握するとともに、さらなる魅力化の推進のため、実践事例を集約した資料を作成して配布する。
3年目は、前年度の取組を検証した後、さらに取組の充実が必要な高校等に対して、関係教育局による学校訪問等を行い、指導助言する。
取組の推進に向け、目標指標を示す予定。
なお、手引の完成は年内の見込み。完成次第、各学校に配布する。
(道・道教委 2020-08-07付)
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