余市養護　オンライン学習導入事業　在宅生と教員間で交流　施設と結び集団学習も

（学校 2020-09-03付）

　【小樽発】道教委の新規事業「オンライン学習導入モデル事業」の本年度実践指定校に決まった余市養護学校（辻山しのぶ校長）は、ウェブ会議システムＺｏｏｍやビデオ通話アプリＦａｃｅＴｉｍｅなどを活用し、オンライン学習を展開する。訪問教育を受けている児童生徒と在校児童生徒間などの交流を深める。

　事業は、オンライン学習に積極的に取り組もうとする学校を実践指定校とし、オンラインを活用した家庭学習を支援するための機器の活用方法や効果的な指導方法を調査研究し、成果を全道に普及させるもの。

　同校は、小・中学部、高等部の在校教育に加え、自宅や施設における訪問教育を展開。在校している児童生徒や教職員と、訪問先の児童生徒間などでの交流が図られるよう、オンライン学習の実践を検討していた。

　一方、パソコンや携帯電話、タブレット端末を所有していない児童生徒や、Ｗｉ―Ｆｉなどインターネットの通信環境が整備されていない家庭も存在。学校ではセキュリティの関係上、Ｚｏｏｍなどをダウンロードできるパソコンは１台に限られている。

　このため、道教委から貸与されたタブレット端末やモバイルルーターを活用し、オンライン学習の取組を進める。ＦａｃｅＴｉｍｅなどのソフトを週２～３回活用。自立活動で行う。

　これまで、主に在宅訪問児童生徒と在校教職員とのオンライン学習を展開。例えば、在宅の生徒が理科の学習において、教員が実験している様子をリアルタイムで視聴できるようにした。

　９月も引き続き、在宅児童生徒に対する授業を行う。このほか、９～１０月に在宅児童生徒と在校児童生徒との交流、１０～１１月に施設訪問児童生徒と在校児童生徒との交流を予定。１１月には、施設訪問の児童生徒とつないだ集団学習も実施する。

　１２月に児童生徒、保護者、教職員を対象としたアンケートを計画。事業成果の検証に取り組む。

(学校 2020-09-03付)