【解説】厚労省　保育の魅力向上報告書

（解説 2020-10-06付）

　厚生労働省は、保育の現場・職業の魅力向上に関する報告書を公表した。保育士の職業の魅力発信・養成の充実などに関する具体的な方策を示し、これをもとに、各関係機関が連携して取り組んでいく。

　報告書は、昨年２月に設置した保育の現場・職業の魅力向上検討会が、保育士が十分に確保され、子どもを中心に考えた質の高い保育が保障されるよう検討し、具体的な施策などをまとめたもの。

　具体的な方策として、保育士の職業魅力発信・養成の充実については、専門性を地域や保護者等に発信し、養成段階の取組を行うことを示している。保護者や地域の住民等に保育所を積極的に開くことや、保護者に保育参加を呼びかけ、保育現場の日常、子育ての楽しさや奥深さを知ってもらうなど、周知に取り組む。

　生涯働ける魅力ある職場づくりについては、働き方改革と業務効率化・業務改善を推進することとした。産休・育休後のキャリアパスの明確化や多様で柔軟な働き方を選択できる勤務環境の整備、技能・経験・役割に応じた処遇となるよう、労務管理の専門家の支援や働き方に関する研修会等の支援を図っていく。

　このほか、保育士資格保有者と保育所のマッチングについては、保育士・保育所支援センターが関係団体等と連携して、ネットワークを構築し、機能強化を図る。

　ハローワーク、養成校や保育団体とのネットワークの構築、学生等の資格取得支援や現役保育士の就業継続支援、センターの好事例の収集や周知などに取り組むとした。

　検討会は、「保育所、行政、養成校等の各関係者においては、子どもの現在と未来のために、率先して取り組んでほしい」と話している。

(解説 2020-10-06付)