道教委 GAP全道ミーティング 安全なほ場環境確立 岩見沢農業高 農業高校3校が研究成果発表(道・道教委 2020-11-20付)
3年間の実践研究の成果を発表した
【岩見沢発】道教委は10月下旬、岩見沢市民会館まなみーるで国際水準GAP教育推進プロジェクト全道ミーティングを開いた。研究指定校の旭川農業高校、帯広農業高校、岩見沢農業高校の生徒が研究発表。うち、運営校の岩見沢農業高校では、安全なほ場環境を確立した取組を発表した。また、研究成果として3校が協力して作成した『北海道農業高校学習成果集』を披露した。
プロジェクトは、北海道ふるさと・みらい創生推進事業(平成30~令和2年度)の一環。地域の農業振興を担う人材を育成するため、国際水準のGAP認証取得や、地域農産物の国際的な取引に関する指導方法等についての実践研究を行い、成果を全道に広く普及することによって、本道における農業教育の充実を図っている。
全道ミーティングには、研究指定校3校の生徒や引率教員、道農業教育グローバル政策会議委員などが参加した。
はじめに、唐川智幸高校教育課長があいさつ。「3年間の事業を通して、GAPについての理解が深まるとともに、これからの日本の農業の在り方について主体的に考える姿勢が身に付いたと思う」と話した。
また、「コロナ禍で新しい生活様式が求められる中、商品開発やインターネットを活用した新たな通信販売など、各校が工夫を凝らして実践的な取組を進めていただいたことに敬意を表する」とたたえた。
続いて、運営校・岩見沢農業高の鎌田一宏校長が登壇。発表する生徒に対し、「これまでの取組に自信と誇りをもって発表して」と呼びかけるとともに、「最終的には、生徒がGAP認証システムを活用しながら世界で活躍できる農業経営者になることを願っている」と期待した。
研究発表では、旭川農業高、帯広農業高、岩見沢農業高の3校が研究発表を実施。うち、岩見沢農業高は、GAPの取組を進める生徒の全体統括リーダーを務める農業科学科3年生の大塚悠生さんが「“食の安全と持続可能な生産管理”を国際基準で実践する農業高校を目指して~10品目更新認証に向けた取り組み」と題して研究成果を報告した。
大塚さんは、GLOBALGAPについて説明したほか、本年度の取組内容を紹介。各作目のリスク評価を行い、ほ場整備や作業記録の整理のほか、GAPチーム全体で手順の情報を共有することで、安全なほ場環境を確立したことを伝えた。
作業記録など管理情報の共有については、タブレット端末を利用した記録ソフトを活用することで、作業者以外も把握できるようにしたことを紹介。新型コロナウイルス感染症対策として、「収穫調整作業中のフェイスガード着用や農場作業者のソーシャルディスタンスの確保を周知・徹底し取り組んだ」と述べた。
成果として、「GAPについての理解力が高まったと同時に、より良い農業経営、これからの日本の農業の在り方について主体的に考える姿勢を身に付けることができた」と報告。
その上で、「学校でGLOBALGAP認証を継続するための形づくりや、将来の農業経営に生かしていきたい」と意気込みを語った。
続いて、3校の代表者が、協力して作成した『北海道農業高校学習成果集』を紹介。マニュアルのほか、GAP普及のため、2分程度にまとめた動画をホームページに掲載していることを説明した。
作成に当たり、旭川農業高はASIAGAP穀物(水稲)・青果物、帯広農業高はASIAGAP穀物、岩見沢農業高はGROBALGAP水稲・穀物・青果と、3校それぞれが取得している作目・GAPの種類が違うことから「すべての種類で対応できるものを作成した」と話した。
動画作成では、旭川農業高が水稲栽培、帯広農業高が畑作物栽培、岩見沢農業高が野菜栽培にかかわる施設管理・食品安全作業手順・衛生管理と担当を分担。審査対応にかかわるポイントについては、3校で協力して作成したことを伝えた。
このほか、授業など様々な場面で活用できるよう、マニュアルにQRコードを付け、動画にリンクできるようにするための試作段階であることを報告。来年3月の完成を目指していることを伝えた。
このあと、帯広畜産大学環境農学研究部門農業経済分野農業経済系の窪田さと子助教が「未来をつむぐ農業人へのエール」と題して講演。
また、道農業教育グローバル政策会議を開催し、実践研究3年目の成果と課題等を検証し、委員が指導助言を行った。
(道・道教委 2020-11-20付)
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