道教育大附属札幌小・中ふじのめ学級　研究紀要を無償提供へ　大会中止受け　１２月上旬にも

（札幌市 2020-11-26付）

　新型コロナウイルス感染症の影響で本年度全道教育大会を中止とした道教育大学附属札幌小学校（高久元校長）・附属札幌中学校（萬谷隆一校長）の特別支援学級「ふじのめ学級」は、１２月上旬にも市立小・中学校へ研究紀要第５０集を無償で提供する予定だ。研究１年次として、子どもの実態把握を重点に校内研究を重ね、授業実践事例などを集約。同学級は「取組の周知のほか、各校における授業実践に活用してほしい」と話している。

　ふじのめ学級は、附属札幌小・附属札幌中に設置された道内唯一の大学附属特別支援学級。

特別支援学級としての活動を基盤に、通常の学級との交流・異学年間の交流、小中連携など、子どもたちにかかわり合いを育む教育を重視している。

　本年度は３ヵ年研究の１年目。研究主題を「一人一人の“分かる”を引き出す授業づくり」と設定した。

　１年次は研究副主題～深い子ども理解からはじめる支援方法に基づき、「深い子ども理解」の部分に重点を置いて研究を推進。次年度は「支援方法」、最終年度は「授業づくり」に重点を移行することで主題に迫る授業づくりを模索していくこととした。

　本年度は実態把握に重点を置き、支援方法を検討。子どもの実態を把握するため、複数の教員による視点から集約した情報の共有化を図るべく、実態把握シートを作成し、支援方法を考察してきた。

　校内研究において実践を重ね、小中の学習指導要領のポイントのまとめや教育課程の紹介、各領域のポイントと実践事例をまとめた研究実践集として研究紀要第５０集を発行。

　紀要は１２月中旬ころ、市内小・中学校に無償で発送するほか、同校ホームページにも公開する予定。

　同学級では「全道教育研究大会の中止によって、多くの先生方からの意見をいただけなく残念」とした上で、「紀要の発行によって、研究内容の周知のほか、全道の教職員からの意見をいただけるとうれしい。積極的に活用してほしい」と話している。

(札幌市 2020-11-26付)