心の教育推進会議 人権教育指導者研修　ルール決めネット利用を　弁護士招き人権侵害等解説

（道・道教委 2020-12-02付）

ウェブ会議システムで約４０人が参加

　道、道警本部、道教委で組織する道心の教育推進会議（会長・小玉俊宏道教委教育長）は１１月２７日、札幌市内かでる２・７で人権教育指導者研修会を開いた。岡崎拓也弁護士が子どもの活動と人権侵害について解説。LINEによるいじめや掲示板での誹謗中傷などの事例を踏まえたグループ協議を行い、ネット利用のルール設定や情報モラル教育の重要性を確認した。

　互いの個性を尊重して誰もが安心して暮らすことができる地域社会を創造するため、対話や参加型を含めた学習手法によって人権教育指導者の人権に関する理解を深め、参加者がそれぞれの立場で人権教育に対する意欲を高め、指導技術の向上を図ることが目的。

　本年度の研修テーマは「子どもの活動と人権侵害について法的な視点から解説～ネットトラブル、コロナ禍での差別等」。ウェブ会議システムを活用し、人権擁護担当職員、福祉関係職員、ボランティア指導者など約４０人が参加した。

　はじめに、道教委の山口利之生涯学習課長・生涯学習推進センター長は、研修内容を各地域で役立て、さらなる人権教育の推進に取り組むよう期待した。

　続いて、岡崎拓也法律事務所の岡崎弁護士が子どもの活動と人権侵害について解説。民事・刑事事件における未成年者への配慮事項、子どもに関係する法律と具体的な違反事例や、子どもたちに教えるべき事項を伝えた。

　インターネットの利用に当たっては、時間帯やフィルタリングなど具体的なルールとその理由を教えること、ルールを守らないとペナルティを受けることの大切さを挙げた。

　つぎに、LINEによるいじめや掲示板における新型コロナウイルスに関連した誹謗中傷などの事例をもとにグループで協議。参加者からは、気軽に情報を発信することに慣れた子どもが多いことなどの課題を踏まえ「根拠のない不確かな情報を拡散することのないよう、書き込みの基準、ルールを確認するべき」などの意見があり、岡崎弁護士は「ネット上の発言は、人を傷つけることもある危険性があるということを教育することが大切」と説いた。

　このあと、子どもの人権を守るための指導について情報交流した。

(道・道教委 2020-12-02付)