上川局　オンライン指導主事派遣　形成的と総括的　区別を　占冠中央小　学習評価で研修

（道・道教委 2020-12-02付）

実践的な内容とするため、附属旭川小が協力

　【旭川発】上川教育局は、独自事業のオンライン指導主事派遣「Ｚｏｏｍ　ｄｅ　研修」を実施している。１１月中旬には、占冠村立占冠中央小学校（井上隆一校長）とウェブ会議システムで接続して２回目の研修を行った。より実践的な内容とするため、道教育大学附属旭川小学校・西條俊介教諭の協力を得て実践事例を紹介。占冠中央小の教職員は、授業における学習評価の実際について理解を深めた。

　研修時間の確保や大人数による研修が難しいコロナ禍において、効率的に教員の資質・能力の向上を図ることが目的。ウェブ会議システムＺｏｏｍによる指導主事派遣を活用することで、移動時間や研修場所を気にすることなく様々な実施形態で研修を受けることができる。

　研修テーマは「学習評価」。新学習指導要領に対応した学習評価や、評価規準の作成、各教科等の学習評価の具体などに関する講義、質疑応答や協議など、研修のねらいを踏まえて柔軟に対応する。

　占冠中央小では、１０月にも基礎的な内容を中心とした研修を実施。２回目のこの日は、より実践的な研修の充実をねらって道教育大附属旭川小と接続し、事例発表を通して学習評価の実際を学んだ。

　はじめに、義務教育指導班の渡邊雄大指導主事が学習評価の進め方について説明。指導と評価の一体化に関する現状と課題や、単元における観点別学習状況の評価の進め方についてあらためて確認した。

　続いて、西條教諭が算数科を中心とした学習評価の実際について実践発表。

　冒頭、指導改善に生かすために行う「形成的評価」と、記録に残すための「総括的評価」が混同されてしまう傾向にあることを踏まえ、それぞれの評価を区別して考えることの重要性を伝えた。

　具体的な実践例をもとに、単元の評価規準作成の手順を紹介。ポイントとして、作成した評価規準を指導計画に位置付ける際は、先に形成的評価を行って改善を図った上で、総括的評価として記録に残していくことなどを挙げた。

　児童のノートや板書を示しながら、ノート分析をもとにした見取りの実際を紹介。評価に生かすため、しっかりと評価場面を設定した上でノートに記述させることの重要性を伝えた。

　西條教諭の実践発表をもとに、占冠中央小の教職員からは「書くことが苦手な児童に対しては、対話や集団解決の場面から見取ってよいか」「児童との評価規準の共有はどのように行っているのか」などの質問が寄せられた。

(道・道教委 2020-12-02付)