札幌市　第２次アイヌ施策推進計画案 文化保存など５項目 歴史等理解深化のきっかけを

（札幌市 2020-12-10付）

　札幌市は、第２次市アイヌ施策推進計画案をまとめた。「基本理念と施策目標」「具体的な取組」など６章立てで構成。施策目標として「アイヌ文化の保存・継承・振興」など５項目を掲げ、今後、アイヌ文化の保存・継承、さらなる振興や市民、国内外の人々がアイヌ民族の歴史や伝統文化に関する理解を深めるためのきっかけづくりなどに取り組むこととした。８日に開いた市議会財政市民委員会で示した。

　計画は、市のアイヌ施策の基本的な考え方や具体的な取組の内容などを整理し、総合的・計画的にアイヌ施策を推進するため、平成２２年度に策定。市は計画の基本理念に定めている「アイヌ民族の誇りが尊重されるまちの実現」に向けて、様々な取組を行ってきた。

　計画策定当時、国において総合的なアイヌ施策の推進について協議が進められており、その動向次第で計画を見直す必要が生じることから、具体的な計画期間は定めず、概ね１０年間をめどに市が取り組む施策などを整理。国の動向を踏まえ、前計画の計画期間を令和２年度で終了することとし、総合的・計画的にアイヌ施策を推進していくため第２次札幌市アイヌ施策推進計画を策定することとした。

　計画案は、①計画の策定②アイヌ民族にかかわる歴史的経緯③現状と課題④基本理念と施策目標⑤具体的な取組⑥計画の推進―の６章立てで構成している。

　うち、⑤では施策目標として「アイヌ文化の保存・継承・振興」「アイヌ民族に関する理解の促進」「体験・交流の促進」「産業等の振興」「生活関連施策の推進」の５項目を設定。これまで整理した課題のほか、アイヌ施策推進法や政府が定めた基本方針などを踏まえながら各施策を展開していく。

　具体的には、アイヌ民族が次世代へアイヌ語や伝統文化を継承する仕組みの構築や、人材育成にかかわる活動への支援を通じ、アイヌ文化の保存・継承、さらなる振興に向けた取組を推進。

　また、様々な機会を通じて、アイヌ民族の歴史や伝統文化に関する啓発活動を行い、市民をはじめ、国内外の人々が理解を深めるためのきっかけづくりなどに取り組む。

　近くパブリックコメントを行い、寄せられた意見を来年１月ころに検証。２月ころに開く第４回会議で計画の最終確認を行い、３月中に策定・公表する。

(札幌市 2020-12-10付)