札幌市教委　公立夜間中学の基本方針案　設置場所は資生館小　利便性勘案　１学年１学級

（札幌市 2020-12-22付）

　札幌市教委は、令和４年度開設予定の札幌市公立夜間中学における設置基本方針案をまとめた。教育活動の充実と独立性を重視し「単独校」として設置。学校規模は１学年１学級の計３学級とし、市内全域からのアクセスの利便性などを勘案して中央区の資生館小学校に設置する。今後、パブリックコメントを経て、本年度中に基本計画を策定・公表する予定だ。

　市教委は、４年４月を目途に公立夜間中学の開設に向けた準備を推進。市として、本年度中に公立夜間中学の設置にかかる基本計画を策定することとしている。

　これまで、委員長の引地秀美道教育大学札幌校特任教授をはじめとする委員８人で構成する検討会議を計４回開催。基本計画の策定に向け、公立夜間中学で配慮すべき事項などを検討してきた。

　基本計画案は、２１日に開いた教育委員会会議で示した。

　基本計画案をみると、公立夜間中学の目指す姿として「生徒の誰もが安心して、学びの主役となれる多様性を尊重する学校」を設定。

　学校づくりの視点として、①一人ひとりの夢や願いの実現につながる多様性を尊重した学校づくり②生徒の誰もが安心して学びの主役となれる学校の環境整備―の２点を掲げた。

　入学対象は、学齢期（満１５歳に達した日以降の最初の３月３１日まで）を過ぎた人、中学校を卒業していない、または、不登校等の理由によって義務教育を十分に受けられなかった人、原則、札幌市内に居住する人。

　なお、連携の意向がある近隣市町村に在住の人については、受け入れる方向で調整する。

　教育活動の充実と独立性を重視し単独校として設置。

　学校規模は、全国の公立夜間中学の在籍者数の平均が５２人程度であることや札幌市で行ったアンケートの状況を踏まえ、１学年１学級の計３学級とした。

　設置場所は、市内全域からのアクセスの利便性やユニバーサルデザイン構造であることなどを勘案し、中央区の資生館小に決定した。

　修業年限は原則３年だが、じっくり学びたい人のニーズに応えるため、最長６年の在籍が可能。

　柔軟な入学制度に対応するため、入学可能期間は９月までとし、高校等への進学や就職などを目指す生徒に適切な学びの期間を設定するため、中学２年、中学３年からなど、中途学年からの編入も可能とした。

　今後は、来年１月ころを目途に募集するパブリックコメントを経て、本年度中に基本計画を策定・公表する予定だ。

(札幌市 2020-12-22付)