札幌市　アイヌ文化交流センター一新へ　食文化展示コーナーなど　年度内に中庭改修計画策定

（札幌市 2020-12-22付）

　札幌市は、アイヌ文化交流センター（サッポロピリカコタン）について、館内における展示物のリニューアルを検討している。施設の中庭にはアイヌ民族が食べていた植物や治療に活用していた薬草を展示し、食文化をテーマとした展示コーナーを設けるほか、刺しゅうや木彫りを行う文化体験コーナーには講師を常駐させるなど、来館者が実際に体験や見学できるよう計画している。本年度中に中庭改修における計画を策定し、来年度から順次設計に着手する見通しだ。

　南区定山渓温泉に位置するセンターは、平成１５年に開館。北の大地に先住し、独特の文化を育んできたアイヌ民族の生活や歴史、文化などを来館者に楽しみながら理解を深めてもらうことを目的としている。

　現在、施設内の展示室には伝統衣服や民具など約３００点が展示されており、実際に手にとって確認することも可能。アイヌ文化にふれる機会の醸成を図っている。

　近年は外国人旅行客などが増加してきたことなどを踏まえ、市は来館者にアイヌ文化の理解促進を図ることなどを目的に、館内における展示物のリニューアルを検討。

　具体的な内容として、現在、展示物などを配置していない中庭に食文化をテーマとした展示コーナーの設置を予定。アイヌ民族が過去に食べていたとされる植物やけがの治療に使用していた薬草などを展示する。

　また、外観に位置するアイヌ民族の伝統的な建物“チセ”も改修する。

　展示室内については、刺しゅうや木彫りなどアイヌ文化にふれることができる文化体験コーナーの設置を検討。講師を常駐させることで、体験や見学などができるようにする。

　外国人の来館への対応も踏まえ、施設内外の展示物の解説などは、データベースを構築。多言語化対応の資料の検索や展示物の解説、ガイドアプリなどを活用し、アイヌ文化の理解促進を図るとともに、利便性の向上を図る。

　市は、本年度中に中庭改修の計画を策定。来年度から順次設計に着手する見通し。

(札幌市 2020-12-22付)