文科省　統合型校務支援システム　４年度　整備率１００％を　デジタル化推進プラン示す

（国 2020-12-25付）

　文部科学省は、２３日の第２回デジタル化推進本部第２回会議で、デジタル化推進プランをまとめた。令和４年度に統合型校務支援システムの整備率１００％を目指すほか、健康診断の結果をマイナポータル（政府運営のオンラインサービス）で閲覧できるよう電子化を推進。１人１台端末に対応した教室用机の整備など、デジタル化に向けた施策を示した。

　プランは、GIGAスクール構想をはじめ教育分野におけるデジタル化への対応が進むことを見据え、現段階における施策や今後の方向性を教育、研究開発、文化芸術・スポーツの３分野でまとめたもの。

　学校教育においては、１人１台端末の本格運用に対応した教室用机の整備、情報モラルを含む情報活用能力の育成、安全・安心に端末を利用するためのガイドライン作成などを示した。

　統合型校務支援システムは、４年度に１００％の整備を目指し地方財政措置を講じるとし、先端技術を効果的に利活用するためのガイドブックを年度内に作成する方針を示した。

　生涯学習・社会教育の分野では、高卒認定・中卒認定の受験申請・証明のデジタル化を挙げ、５年３月から合格証明書などの証明書を遠隔で入手できるよう準備を進める。

　教育データの効果的な活用に向けては、令和４年度中に本人や保護者がマイナポータルで児童生徒の健康診断結果を閲覧できるよう準備を推進。

　３年度、国立教育政策研究所に教育データの分析・研究を行う「教育データサイエンスセンター」を設置し、データ活用による客観的な根拠を重視した教育施策の推進を図る。

　このほか、文科省の行政情報システムの全クラウド化を進め、行政手続きにおける書面、押印、対面規制を見直す。文部科学行政のデジタル化を推進する人材の育成・確保を進めていくとした。

　文科省は今後、マイナンバーカードの活用の検討、デジタルを活用した生徒の学修活動の情報の利活用の在り方、民間における学習履歴の電子化など、さらなる効果的な活用について検討を進めていくとしている。

◆１人１台端末活用推進チーム発足　文科省

　文部科学省は、「ＧＩＧＡ　ＳｔｕＤＸ（ギガ　スタディーエックス）推進チーム」を発足した。１人１台端末の利活用の推進に向けた全国の教育委員会・学校に対する支援活動を展開するため、端末の活用方法に関する優良事例や本格始動に向けた対応事例などの情報発信・共有を行う。

　ホームページに特設サイト「ＳｔｕＤＸ　Ｓｔｙｌｅ」を開設。近日中に、端末の利活用開始時のチェックリストや、困ったときの対応事例などを掲載する予定。

　文部科学省は２３日、本年度学校施設におけるブロック塀等の安全対策等状況調査の結果（９月１日現在）を公表した。札幌市を含む道内国公私立学校の状況をみると、調査対象となった学校は７６校で、安全性が確認された学校は３４校、対策を講じている学校は２２校。公立学校では、対策を講じている学校は１２校だった。今後、道内で令和３年３月末までに安全対策を完了させる予定の学校は１４校、４月以降は８校であることが分かった。

(国 2020-12-25付)