1年単位の変形労働時間制 新年度から導入可能に 道教委 規則・要領制定へ
(道・道教委 2021-01-05付)

初刷・1面・図さしかえ
1年単位の変形労働時間制 主な概要(クリックすると拡大表示されます)

 給特条例の一部改正に伴い、新年度から札幌市を除く道内の公立学校で1年単位の変形労働時間制の導入が可能となる。業務の繁閑に応じて勤務時間を配分することで長期休業期間に休日のまとめ取りができるもの。地域・学校の実情を踏まえ導入の可否を決定し、利用できる。道教委は、適切な運用のため、制度の概要周知や相談体制の整備についても検討しており、今後、制度の詳細を定めた規則や実施要領を定める。

【制度の概要】

 正規の勤務時間が平均して1週間当たり38時間45分、1日当たり7時間45分となることなどを条件に、業務の繁閑に応じて勤務時間を配分する制度。適用しようとする対象期間、当該教育職員の時間外在校等時間が月42時間、年320時間の範囲内となることが見込まれる場合に限って制度を適用できる。

 道教委は、制度の導入自体が教員の業務や勤務時間を縮減するものではなく、他の施策と併せて講ずることが重要としている。

▼活用する場合の条件

 長期休業期間において休日(勤務時間を割り振らない日)を連続して設定する場合に限って適用可能。一方、「1日の勤務時間の短縮」「課業日における休日の設定」はできず、長期休業期間中の連続した休日の設定でなくてはならない。

 対象期間は、長期休業期間を含む1ヵ月以上1年以内の期間。5ヵ月間、3ヵ月間、2ヵ月間など期間を区切って定めることも可能となっている(図参照)。

 対象期間を平均し、1週間当たりの勤務時間を平均38時間45分、1日当たりの勤務時間を平均7時間45分とすることが条件。連続して勤務する日数の限度は6日だが、原則は月曜から金曜日までの5日となる。

 また、特に業務が繁忙な期間を「特定期間」と定めることが可能で、その期間中の連続勤務日数の限度は12日となる。

 1年当たりの勤務日数は280日以内とし、勤務時間の限度は1日10時間、1週間52時間。

 48時間を越える週は連続3週間以下とするなどの詳細な条件も課されており、道教委は実質1日9時間、1週48時間以内で運用がしやすくなるとの見解を示している。

▼教育委員会や校長が講ずべき措置

 制度を適用する教育職員に対しては、①客観的な方法等による在校等時間の把握を行うこと②部活動の休養日・活動時間を国の基準の範囲内とすること③確保できる休日を考慮し、業務量が多い時期に限定すること④勤務時間を増やした日に新たな業務で在校等時間を増加させないこと⑤長期休業期間中に休日を連続して設定すること⑥終業から始業までに一定した休息時間を確保すること―が求められる。

 学校全体に対しては「制度適用前と比較して部活動、研修など長期休業期間中の業務量の縮減を図ること」「超勤4項目を除き、職員会議、研修等の業務は通常の勤務時間内に行うこと」「全教育職員に画一的に適用するのではなく、育児、介護、職業訓練、その他特別な配慮を要する人には、その必要な時間が確保できるよう配慮すること」を挙げている。

▼その他

 これまで運用してきた1ヵ月単位の変形労働時間制についても、1年単位の変形労働時間制の利用時期と重ならない限り適用が可能。制度の適用者の決定に当たっては、校長が職員と対話して育児や介護を行う人などについては配慮するなど、個々の事情を踏まえて決定する。

(道・道教委 2021-01-05付)

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