コロナ禍 学校再開後の教育活動 遠隔学習 受発信に課題 上教研 小・中教員対象に調査(関係団体 2021-01-05付)
【旭川発】上川管内教育研究会(=上教研、鈴木薫会長)は、管内小・中学校教職員704人を対象とした教育活動アンケート結果を公表した。コロナ禍における各校の状況を把握することで、今後の教育活動の方向性を探る一助となるよう実施したもの。7~8月時点の学校再開後の生活や学習、リモート授業の経験や課題などについてまとめている。
調査は、本年度のコロナウイルス感染予防にかかわる臨時休校や学校再開後の教育活動について管内小・中学校の状況を把握することで、今後の教育活動の方向性を探るための資料とすることが目的。7月27日から8月4日(8月20~25日に追加実施)に実施し、管内小・中学校教職員704人が回答した。
質問項目は、主に①学校再開後の生活②学校再開後の学習③学校再開後、新しい生活様式を指導するために準備して効果的だったと思うもの④リモート授業の経験―の4項目。
①では、「現在も問題がある」と回答した割合が31%(小学校33%・中学校28%)。年代が上がるにつれて割合が上がっており、20代では22%、50代以上では36%だった。
主な課題として、子どものストレスや情緒不安、感染症対策を行いながらの指導、学習活動や部活動の制限などが挙がった。
②で「現在も問題がある」と回答した割合は20%(小学校23%、中学校15%)。年代別にみると、①と同様の傾向があり、20代で11%、50代以上で24%だった。
主な課題には、コミュニケーション能力の伸長にかかわる交流活動や調理実習、合唱・器楽などの学習内容の制限、学力の定着、学習進度、制限の中での評価方法などが示された。
③では、タブレット端末などのICT機器のほか、手洗いの歌、手洗いスタンプ、飛まつ防止ボード、コロナに関する掲示物などが挙がった。
◆教職員の13%がリモート授業経験
④では、リモート授業の経験が「ある」と答えた教職員が13%。年代別にみると、40代が19%と最多で、次いで30代17%、20代8%、50代以上6%だった。
リモート授業の良さについて、臨時休業時で「感染リスクの軽減」(90%)、「授業時数の確保」(53%)、「登校できない子どもへの対応」(46%)など。平常時では、「感染リスクの軽減」(67%)、「登校できない子どもへの対応」(57%)、「子どもの顔が見える」(40%)などが挙がった。
一方、リモート授業の課題については、「各家庭の受信状況の不備」が90%と最も多く、次いで、「発信するためのシステムの不備」68%、「教師側のスキル不足」66%、「理解度の把握が困難」55%などが挙がった。
今回の結果を受け、上教研は、子どもたちのために知恵を出し合い、一つのチームとなって課題に立ち向かっている教職員に敬意を表すとともに、「同じような不安や課題を抱え、日々奮闘している仲間がいることを感じながら、今後の方向性を探る一助としてほしい」とし、アンケートを役立てた取組を期待している。なお、アンケート結果は、会報『かがやき』第389号に掲載する。
また、現在、アンケートの第3弾を集計中。
学校行事の本年度実施状況や次年度の予定、現在のICT状況などをまとめた結果を1月に公表する予定。
(関係団体 2021-01-05付)
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