旭川市教委と市中連 Actサミット 安心して暮らせる学校を 生徒の力で いじめ未然防止
(市町村 2021-01-08付)

Actサミットオンライン交流
埼玉県の中学校とオンラインで取組を交流

 【旭川発】旭川市教委と旭川市中学校連盟による「生活・学習Actサミット」が、ことしで5年目を迎える。「コロナ禍におけるいじめの未然防止について」をテーマに掲げた本年度は、コロナ禍のためオンデマンド配信で開催。当番校の市立北門中学校(飛弾野文彦校長)生徒会8人を中心に、医療従事者等への応援運動やシトラスリボン運動を展開するチャイルド・パワー・プロジェクトなどの取組を全市に広げようと、動画を通して市内全小・中学校に呼びかける。生徒の力で差別や偏見をなくし、誰もが安心して暮らしていける学校・まちづくりを目指していく。

 旭川市教委と市中連生活部によるサミットは、市内の子どもたちの現状や課題などを踏まえ、生徒が自らより良い生活や学習の在り方について考えることが目的。平成28年度にスタートし、ことしで5年目の節目を迎えた。

 例年、市中連生活部の夏季研修会として各中学校の代表生徒が一堂に会してテーマに沿った協議を行っているが、本年度は感染症拡大防止の観点から中止に。オンデマンド配信された動画を生徒会役員が各校でそれぞれ視聴する形式での開催とし、本年度の当番校・北門中を中心に準備を進めてきた。

 本年度のテーマは、「コロナ禍におけるいじめの未然防止について~差別や偏見、いじめをなくすために」。テーマに向けた取組の充実を図るべく、まずは当番校を中心とした3校の生徒会役員が、道外でいじめ撲滅に積極的に取り組んでいる中学校とオンラインで交流した。

 北門中は埼玉県志木市、春光台中学校が兵庫県神戸市、東鷹栖中学校が千葉県木更津市の中学校生徒会役員とそれぞれウェブ会議システムZoomで接続。うち、北門中は、昨年12月中に2回、志木市立宗岡第二中学校と交流した。

 2回目の10日には、コロナ禍における生徒会の取組について意見交換。

 給食中の感染対策が話題に上ると、北門中の生徒は、給食中の過度なおしゃべりを防ぐ方法として「マスクをせずに話す危険性や、現在の感染拡大状況などを伝えながら、話してはいけない理由をあらためて説明する」などと提案した。

 いじめや偏見をなくすための取組の交流では、両者の取組の共通点として、団結の重要性を呼びかけていることや、「いじめの原因はコロナへの恐怖心」と分析していることを確認。共通点を意識して取組を深めていく決意を新たにした。

 交流を終えた副会長の石垣胡春さん(2年)は「場所は違っても互いの考えが一緒だと分かり、自分たちの取組への思いが深まった」と感想を。

 同じく伊藤春華さん(2年)は、前回の交流の反省点を踏まえ、「今回は改善して伝えたいことが伝えられた」と振り返っていた。

◆医療従事者応援など 北門中生徒会呼びかけ

 年度当初から、コロナ禍で「何か自分たちができることはないか」と考えていた北門中の生徒会役員たち。オンライン交流を含めた道外の取組などを参考に、子どもの力でできる取組を模索してきた。

 市内の感染状況や医療現場の状況などを踏まえ、①医療従事者等への応援運動②シトラスリボン運動―を2本柱としたチャイルド・パワー・プロジェクトを展開。誰もが安心して暮らせるまちづくりに貢献するため、取組を市内全校に広げようとしている。

 ①では、市民の命と健康を守る医療従事者等に日ごろの感謝と激励の気持ちを伝えようと、応援メッセージを作成。各校で1枚の応援メッセージボードを作成し、旭川市教委を通じて市内の基幹病院等に届けるよう全校に呼びかけた。

 12月22日には、同校生徒会役員が市立旭川病院を訪れ、先行してメッセージボードを贈呈。「目の前の命を救うために一生懸命闘っていただきありがとうございます」など感謝の言葉のほか、自校における取組の紹介や「生徒の不安や恐怖、差別をなくせるよう全力で活動します」など決意の言葉を寄せている。

 前日まで、思いを込めてメッセージボード作成に励んでいた生徒会。会長の下村悠夏さん(2年)は「今はコロナで人との距離があるが、心を一つに、団結力を高めて活動したい」と語るとともに、贈呈式では「言葉や表情を意識してしっかりと思いを届けたい」と意気込んでいた。

 ②は、コロナ禍の差別、偏見に対し、愛媛の有志が始めたプロジェクト。淡い黄色などのリボン等を身に付けて「ただいま」「おかえり」の気持ちを表すもので、3つの輪は地域、家庭、職場(学校)を示している。

 同校は趣旨に賛同し、まずは16日に全校で生徒会のレクチャーのもと、シトラスリボンを作成した。

 全市での広がりを目指し、サミット動画でつくり方を説明。3学期には、リボンを着用して市内全校で感染症による差別や偏見、いじめをなくす取組が展開されるよう期待している。

 サミット動画は、市内全小・中学校の児童会・生徒会等に向けて12月21日から随時、限定配信中。今月中旬をめどにすべての動画が視聴できるよう、準備を進めている。

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Actサミットメッセージボード作成
メッセージボードの作成に励む北門中生徒会
Actサミットメッセージボード寄贈
思いを込めてメッセージを手渡した

(市町村 2021-01-08付)

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