初の文化芸術実態調査へ　札幌市　今月下旬から

（札幌市 2021-01-12付）

　札幌市は文化芸術活動の現状や課題を把握し、具体的な方向性や施策を検討するため、初めて文化芸術実態調査を行う。例年実施している市民意識調査も同時期に実施。今月下旬から調査を開始し、文化芸術と他分野との交流の機会確保などにつなげるほか、令和４年度の事業検討や次期文化芸術基本計画に反映する考え。

　文化芸術関係者は新型コロナウイルス感染症の影響で活動制限を余儀なくされている。こうした実態を踏まえ、市は文化芸術に関する施策の推進に関して意見交換を行うべく、昨年９月に札幌文化芸術未来会議を新たに設置した。

　１１月の第１回会議では、市の文化政策における需要課題について意見を交換。文化芸術と他分野の連携の観点から、教育、福祉、観光・経済、産業、医療の５分野において、取組の視点や施策案を審議した。

　うち、教育では小・中学校、専門学校、大学と美術に携わる機関の情報交換を今後の取組と視点に設定。共同での創作・表現活動へ活用することや美術作家を身近に感じてもらうための社会科見学・スタジオ見学、環境ワークショップなどが施策案として挙がった。

　関係機関の連携に当たっては、「交流の機会がない」「文化芸術の敷居が高い」など、芸術家と他分野の管理者の立場で異なる価値観があることなどが課題として浮かび上がった。

　新しい表現や可能性の出会い、創作活動の質の向上など芸術を社会に生かす観点から、文化芸術にかかわる人を対象とした文化芸術実態調査を今回初めて実施。市民を対象に例年実施している市民意識調査も同時期に行う。

　文化芸術実態調査の内容は、力を入れて取り組んでいる文化芸術活動や情報発信に活用している媒体などについて調査する。

　調査結果は３月までに集計。来年度の会議で文化政策の方向性や具体的な施策の材料を検討する。

　来年度末までに会議内容をまとめ、時期文化芸術基本計画に反映させる方針だ。

(札幌市 2021-01-12付)