第２回小中一貫コーディネーター交流会　市ならではの取組を　札幌市教委　連携一層深めて

（札幌市 2021-01-13付）

オンラインで開催した

　札幌市教委は昨年１２月下旬、オンラインで令和２年度第２回小中一貫教育コーディネーター交流会を開いた。コーディネーター２０人が参加し、これまでの活動や今後の方向性などについて意見を交換。４年度からの小中一貫した教育の全面実施に向け、市教委とコーディネーターの連携を一層深め、札幌市ならではの取組を推進していくことを申し合わせた。

　市教委は、本年度から新たに小中一貫した教育コーディネーター配置事業を実施。市内９７中学校区を基本に、中学校に進学する小学校と中学校からなる１つのまとまりであるパートナー校を編成し、パートナー校を小中一貫した教育推進の基本単位として取組を進めている。

　第２回会議は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止の観点からウェブ会議システムＺoomを活用しオンラインで開催。コーディネーター２０人が参加した。

　開会に当たり、佐藤圭一教育課程担当課長があいさつ。４年度から小中一貫した教育が全市で全面実施となることにふれ、各パートナー校の重要事項として、「仕組みづくり」「９年間一貫した教育の具体化」の２点を提示。将来にわたって持続可能な仕組みを整えることや、パートナーごとに特色ある教育活動を一つ一つ形にしていく重要性を説いた。

　その上で「本年度の取組を総括し、目に見える財産として形にしておくことが大切」と強調。教育委員会として、交流会で紹介される実践を含め、取組を全市に啓発していくとともに、コーディネーターと連携を図りながら、札幌市ならではの小中一貫の取組を進めていく考えを示した。

　引き続き、教育課程担当課の福井浩史指導主事がこれまでの活動を振り返り、今後の方向性などについて説明。成果として、「各校の現状と課題を共有することができた」「通信によって“小中一貫した教育”について教職員の意識が深まった」「校長、教頭、実務担当者と直接・オンラインで連絡が取れる関係ができた」などを挙げた。

　一方、コロナの影響で「小中間の交流ができない」「小中一貫した教育推進のための取組に時間がかけられない」などの課題を示した。

　来年度からのＧＩＧＡスクール構想によるネットワーク環境整備の推進にふれ、昨年９月に緊急時の対応用の端末として学級数のタブレットルーターが配備されたことやインターネット回線も増強されている現状などを報告。これらＩＣＴ環境を活用し、Ｚoomを用いた会議なども実施可能となっていることを伝え、小中一貫した教育の推進を止めない工夫を求めた。

　このあと、鈴木和男コーディネーターと倉賀野弘之コーディネーターが、各担当区の実践を発表。実践をもとに意見を交わし合った。

　今後、知・徳・体の調和の取れた育ちを目指すため、①課題探究的な学習②発達の段階に応じた継続的な子どもの理解―の２つの柱を推進しながら具体的な構想を定める。

　来年度、２年目の配置となる中学校区では、各中学校区で小中一貫した教育の実践を推進していく。

(札幌市 2021-01-13付)