【解説】学生支援状況　２年１２月現在

（解説 2021-02-18付）

　文部科学省は１６日、新型コロナウイルスの影響を受けた学生への支援状況等に関する調査結果を公表した。昨年１２月時点で、中途退学者は元年度より７３６９人減の２万８６４７人。うち、１３６７人が新型コロナウイルスの影響を受けていることが明らかとなった。

　対象は、全国の国公私立大学（短期大学を含む）および高等専門学校。調査期間は１月１８日～２月１０日で、回答率は９５・３％。前回は、昨年１２月に４～１０月までの調査期間の内容を発表している。

　大学等（大学院生含む）の中途退学者数は、元年度比７３６９人減の２万８６４７人で、学生数に占める割合は０・２５ポイント減の０・９７％。うち、新型コロナウイルスの影響と判明したのは１３６７人。内訳は、経済的困窮が１９・３％、学生生活不適応・修学意欲低下が１８・３％など。

　大学等（大学院生含む）の休学者数は５６１７人減の６万５６７０人で、０・１９ポイント減の２・２３％。うち、新型コロナウイルスの影響と判明したのは４４３４人だった。

　内訳は、海外留学が６１９２人減の４８３２人と大きく減少し、全体の３９・６％を占めた。そのほか、経済的困窮１６・０％、心身耗弱・疾患８・１％など。

　１６日の会見で萩生田光一文部科学大臣は「これまで支援が一定程度の効果を上げている部分もある」とした一方で、「年度末に向けて中退・休学者が増加することが想定され、油断できない状況」と分析。

　その上で、昨年秋以降にアルバイト収入が減少した学生等１万４０００人に対して学生支援緊急給付金の追加支給を行う考えを示すなど、「各大学には、不安や悩みを抱える学生等に対して積極的な情報発信を含め、きめ細かな対応をお願いしたい」と求めた。

(解説 2021-02-18付)