【解説】今後の主権者教育の推進

（解説 2021-02-25付）

　文部科学省の主権者教育推進会議は、１９日に第１８回会議を開き、「今後の主権者教育の推進に向けて」の最終報告案をまとめた。新たに、大学段階での取組や主権者教育の担い手となる教師の養成に関する取組などを盛り込んだ。

　会議では、主権者教育に造詣が深い有識者等を主権者教育推進員に委嘱し、今後の主権者教育の推進方策を検討している。

　検討期間は平成３０年８月７日から令和３年３月３１日まで。

　最終報告案をみると、主権者教育の推進の今後の方向性として、①各学校段階での主権者教育の充実②家庭・地域における主権者教育の充実③主権者教育の充実に向けたメディアリテラシーの育成―の３つの視点で提言をまとめている。

　うち①では、「児童生徒が学校生活の充実と向上に主体的に参画することを促す観点からの児童会活動、生徒会活動やボランティア活動などの取組の充実」などを追加した。

　大学段階の取組の充実にかかる取組を新たに盛り込んだ。学生一人ひとりの主権者としての意識のかん養を図るため、大学の初年次教育における取組など全学共通カリキュラムを設定することや、教育課程外の学生の自主的な取組を展開することを記している。

　さらに、主権者教育の担い手となる教師の養成や、研修を見通した取組の充実を提起。

　指導に必要な知識や指導方法等を身に付けるため、養成、研修が一体となった取組の充実が求められるとし、副教材や教師向けの指導資料の作成、教師用の研修動画の配信などの取組を挙げている。

　会議では、提言を踏まえた施策の着実な推進とともに、学校関係者が主催者教育の重要性を共有しながら取組の充実につなげていくことを期待している。

(解説 2021-02-25付)