2年度道教育実践表彰 受賞者功績〈上〉
(道・道教委 2021-03-02付)

【学校表彰】

▼今金町立今金小学校(久慈学校長)

長年にわたり、「ふるさとに誇りをもち、自分と未来を拓く子ども」の育成を目指し、確かな学力・健やかな体・豊かな心を育む調和と特色ある教育課程を編成し、創意に富む教育活動に取り組んでいる。

 特に、平成30年度および令和元年度においては、学校力向上に関する総合実践事業実践指定校として、管理職のリーダーシップのもとで全教職員が一つのチームとなり、学校改善プランの見直しと改善を進めるとともに、発達の段階を踏まえた学習規律および生活規律を定め、徹底を図るなど、学校力向上の取組を進め、大きな成果を上げている。

 また、平成27年度および28年度においては、文部科学省委託「ICTを活用した教育推進自治体応援事業」の実証学校として、算数科や総合的な学習の時間におけるICTを活用した年間指導計画の作成と授業実践に取り組むなど、その実践は高く評価されている。

▼南富良野町立南富良野小学校(高野博校長)

 長年にわたり、「明日を切り拓く心豊かでたくましい子ども」の育成を目指し、家庭・地域と広く深く連携し、開かれた学校の推進に努めている。

 特に、平成28年の台風10号による空知川の氾濫に伴う洪水被害の教訓を踏まえ、関係機関と連携した防災訓練や児童、保護者が緊急時における安全について理解することを目指した「保護者への引き渡し訓練」を計画的に実施するなど、家庭・地域と連携した活動を推進し、町全体での防災意識の向上に大きな成果を上げている。

 また、地域連携コーディネーターを中心に関係機関との連絡体制を確立するとともに、防災教育を教育課程に位置付け、自然災害に対する正しい判断と適切な行動を取ることができる児童の育成に取り組むなど、その実践は高く評価されている。

▼遠別町立遠別小学校(小澤真弓校長)

長年にわたり、「自分を認め、考え行動し、自信をもって決定する子」を目指し、児童の自己肯定感を高める学校づくりに取り組んでいる。

 特に、令和元年度からプログラミング教育事業研究実践校の指定を受け、時代を越えて普遍的に求められるプログラミング的思考の定着を目指し、発達の段階に応じた指導計画の工夫改善によって、複数の情報から新たな意味を見いだす力や、問題の発見・解決等に向けて情報技術を効果的に活用する力の育成に大きな成果を上げている。

また、働き方改革の推進に向けて、これまでの働き方を見直し、効果的な教育活動ができる職場づくりや環境づくりを進めるなど、教職員が一丸となった取組は高く評価されている。

▼稚内市立稚内南小学校(杉本浩一校長)

 長年にわたり、児童の「主体性・協働性・解決力の育成」を目指し、管理職のリーダーシップのもと、教育活動の重点化を図り、充実した学習指導を推進している。

 特に、学力向上に向けて、育成を目指す資質・能力を明確にし、教科担任制による指導を積極的に進めるなど、校内体制を整備して教育の質の向上を図るとともに、各種調査結果の分析に基づく授業改善の方策を全教職員で共有し、学習内容の定着状況の把握や指導方法の工夫改善に向けて計画的・組織的な取組を推進している。

 また、平成30年度からは、学校力向上に関する総合実践事業の実践指定校として、自校の課題解決に向けて、意思決定過程を明確にした学校改善を図るとともに、メンターチームを組織し、若手教員やミドルリーダーの育成を積極的に行うなど、その実践は高く評価されている。

▼別海町立野付中学校(飯田雄士校長)

 長年にわたり、ふるさとに生きる力を育むことを教育理念として掲げ、精一杯努力し、たくましく生き抜く人間の育成に努めている。

 特に、昭和38年から続く学校と地域が連携した取組を基盤として、地域資源や地域の基幹産業である漁業に着目し、「海と川と森はひとつ」をスローガンに掲げた自然環境保全活動の実践や、幼小中が一貫した「育てる漁業」の実習等、ふるさとキャリア教育「野付学」の実践は、社会に開かれた教育課程の実現に向けた取組として大きな成果を上げている。

 また、主体的・対話的で深い学びの実現に向け、生徒の思考力・判断力・表現力等を育成するための学び合いの充実を図った授業改善や、各教科等において新聞を積極的に教材として取り入れたNIE活動の実践は高く評価されている。

▼斜里町立知床ウトロ学校(小野寺哲浩校長)

 長年にわたり、「たくましく 未来を築く ウトロの子」を目指し、段階的な教科担任制や「4―3―2」のブロック制を取り入れるなど、特色ある教育活動に取り組んでいる。

特に、平成28年度からは道ふるさと教育・観光教育等推進事業の実践校として、知床の森探検、ヒグマレクチャー、網起こし体験、100平方㍍運動地植林体験等の体験的な学習の実施や、知床についての意識調査を行い「未来の知床」と題した提言の作成など、ふるさと教育・観光教育の推進に大きな成果を上げている。

また、コミュニティ・スクールの導入および地域コーディネーターの配置を行い、放課後学習会「地域みらい塾」の実施や、地域全体で児童生徒について語り合う「ウトロもやいの会」の開催など、地域とともに取り組む教育実践は高く評価されている。

▼奥尻高校(清水信彦校長)

 平成28年度の町立移管以来、「進路目標の実現に向けた学習や諸活動に積極的に取り組み、高校生活を充実させる強い意思と行動力をもった生徒の育成」を目指し、島の豊かな自然や人材等、地域の教育資源を最大限に活用した教育課程を編成し、創意工夫ある教育活動に取り組んでいる。

 特に、持続可能な社会づくりの主体者を育成する「まなびじま奥尻プロジェクト」における町おこしワークショップの取組において、様々な分野の地域人材を活用し、地域課題の解決に精力的に取り組むなど、島内ならびに管内の地域創生の活性化に大きな成果を上げている。

 また、キャリア教育の充実に向けて、島外の大学生等に学習や進路を相談できる「WiFiニーネー」を実施するなど、オンラインを活用した教育活動を積極的に取り入れており、その実践は高く評価されている。

▼旭川永嶺高校(清水公久校長)

 開校以来、学校教育目標である「国際的な視野を持つ社会に有為な人材」の育成を目指したグローバル教育の推進に力点を置き、国際交流委員会を中心として組織的に、地元の旭川市国際交流委員会やJICA北海道、近隣の東川町立日本語学校等と連携しながら、多様な国際交流事業を推進しており、海外短期派遣事業の参加や同世代の留学生との異文化交流を通して、グローバル化社会に主体的に行動できる資質・能力の育成を図っている。

 また、英語のコミュニケーションスキルを高めるために、道教委の指定事業であるU18未来フォーラム事業、英語力向上事業(タイプⅠ)等を活用しながら、英会話の能力を高めるとともに、外国人と積極的にコミュニケーションを図ろうとする意欲と態度を育てるなど、先進的な国際理解教育の取組は高く評価されている。

▼函館五稜郭支援学校(田近憲二校長)

 長年にわたり、「一人ひとりの生徒のよさを生かし、社会で必要な資質・能力の育成」を目指し、生徒一人ひとりの障がいの状態に応じて、卒業後に必要とされる生きる力の育成に取り組んでいる。

 特に、専門教科「流通・サービス」におけるビルクリーニングの取組では、地域の公共施設や民間企業等と連携した清掃実習を通じ、清掃に関する知識・技能の確実な習得を図るとともに、平成30年度全国障害者技能大会沖縄大会において、本道の特別支援学校高等部在学者として初の金賞受賞者を輩出するなど、大きな成果を上げている。

 また、高等部の開設当初から令和元年度末までの卒業生のうち、就職した(就労継続支援A型を含む雇用契約を結んだ)生徒の割合が平均で89・9%となるなど、知的障がい教育におけるキャリア教育の実践は高く評価されている。

(道・道教委 2021-03-02付)

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