【解説】学び基礎診断 有識者会議
(解説 2021-03-24付)

 高校生のための学びの基礎診断に関する有識者会議(第4回)が19日に開かれた。分析ツールの学校での活用実態調査結果を報告したほか、認定基準・手続等に関する規程の改訂など、今後の取組の方向性を確認した。

 高校生のための学びの基礎診断は平成30年度に開始。高校生に求められる基礎学力の確実な習得と学習意欲の喚起を図るため、高校段階における生徒の基礎学力の定着度合いを測定する民間の試験などを文部科学省が一定の要件に適合するものとして認定している。

 全国91校を対象に実施した令和2年度における測定ツールの学校での活用実態調査によると、測定ツールの活用で重視している点(複数回答)として、生徒の学力は「現状の把握(偏差値や志望先への合格率)のため活用」が59・8%、教育方法の改善では、「教員の指導力(授業、試験、進路対応)」が54・2%と高かった。

 会議では、調査結果を報告し、新学習指導要領に対応した測定ツールとなるよう、認定基準を追加する方針を確認。

 また、「知識・技能を問う問題のニーズは高い一方で、思考力・判断力・表現力を測定することへのニーズが高まっていない」などの指摘があることを踏まえ、高校の現場における基礎診断の利活用の実態の詳細な分析を行うほか、授業改善の実現を図るPDCAサイクルの確立に向けた基礎診断の趣旨の徹底を図るとした。

 具体的には、一部の学校に協力を依頼し、授業改善・学校の取組改善の実現を図るためのPDCAサイクルの促進の在り方の事例研究による調査研究を実施。基礎診断の利活用の取組事例をホームページなどで周知し、基礎学力の定着に向けたPDCAサイクルの取組促進を図っていく。

(解説 2021-03-24付)

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