【解説】若者の自殺　道内も急増

（解説 2021-03-18付）

　厚生労働省・警察庁は令和２年中における自殺の状況を公表した。全国における２０歳未満の自殺者数は前年比１１８人増の７７７人。男性はやや減少した一方、女性が大幅に増加している。本道の自殺者の総数は減少した一方、２０歳未満の自殺者数は４２人と１・５倍近くに増加している。

　国は平成２８年に自殺対策基本法を改正。２９年に自殺総合対策大綱を閣議決定し、文部科学省では「ＳＯＳの出し方に関する教育」「医療等に関する専門家などを養成する大学や専修学校等と連携して自殺対策教育の推進」などを進めている。

　児童生徒の自殺予防に関する調査研究協力者会議は本年度、コロナ禍における自殺者数の増加を踏まえ、自殺予防教育と援助希求的態度を促進するSOSの出し方に関する教育の関係性を審議し、整理した審議まとめに向け調査、協議を進めている。

　厚労省・警察庁の調査によると、令和２年の自殺者数は２万１０８１人で、前年比９１２人（４・５％）の増。男女別では男性が２３人減の１万４０５５人で１１年連続の減少、女性は９３５人増の７０２６人で２年ぶりの増加となった。月別では昨年７月から大きく増加し、いずれの月も前年から１００人以上上回っている。

　２０歳未満の自殺者数は９７人増の７７７人。男女別では男性が２３人増の４６６人、女性が９５人増の３１１人だった。

　遺書等から推定された自殺の原因・動機は、「学校問題」が最多で、「健康問題」「家庭問題」「その他」「男女問題」などと続いた。前年との比較では、学校、健康、家庭の問題が増加している。

　本道における自殺者の総数は２１人（２・１％）減の９５０人。２０歳未満では前年の２７人から４２人に増加している。

(解説 2021-03-18付)