未来の教育　ICT活用で様々な提案　クラウド活用、共同研究など　道研　プロジェクト研究成果交流会

（道・道教委 2021-03-31付）

新保氏と道研所員による座談会の様子

　道立教育研究所は２４・２６日、同所でプロジェクト研究成果交流会をオンライン開催した。研究内容や成果をまとめた動画を配信したほか、道開発技術センター地域政策研究所参事で特定非営利活動法人ほっかいどう学推進フォーラムの新保元康理事長を迎えて座談会を実施。ＩＣＴ環境整備後に実践したい教育活動などに関して意見を交わした。

　道研が令和２年度から３ヵ年計画で取り組んでいる「“未来の教育”の在り方に関する研究」における研究成果等を広く普及させるとともに、参加者との情報交換を通して、学校現場のニーズを踏まえたプロジェクト研究の推進に資することが目的。

　２４日は１０校、２６日は２０校とオンラインでつなぎ開催した。

　鈴木淳所長があいさつ。今後、各学校で求められる授業におけるＩＣＴ活用の提案に向けて、「ＩＣＴを活用した授業について情報を共有し、共に考えてほしい」と話した。

　はじめに、プロジェクト研究の内容や成果をまとめた動画を配信。クラウド上のアンケートフォームを活用した学習状況の確認や、キャリアパスポートの電子化による学習履歴の蓄積のほか、遠隔合同授業の記録動画など、各教科でのクラウド活用方法を説明した。また、２年度の研修で活用したウェブ会議システムやオンデマンド研修の効果を紹介した。

　続いて、新保氏とプロジェクト研究担当の道研所員が座談会を行った。出演者の正面のモニターに参加者が送信したチャット内容を映し出し、リアルタイムで意見を交わした。

　ＩＣＴ環境が整ったときに実践したい教育活動について参加者は、個人の実習履歴の記録やクラウドを使った共同編集などを挙げた。遠隔システムに関しては、外部講師との連携、小規模校同士での共同研究等に活用するなど、教職員による具体的な考えが示された。新保氏の提案で、参加者と交流する場面も。

　このあと、新保氏が東京都内の小学校における先進的なＩＣＴ活用授業をスライドで紹介。各教科でのＩＣＴ活用の工夫によって、質の高い授業を短時間で効率よく行うことができると説明した。

　「１人１台端末は学習の孤立よりも、子どもたちの助け合いが増える」と話した。また、教職員が「未来の教育」を遠く感じないようにすることや、持続可能な範囲で教育活動におけるＩＣＴ活用を進めることの大切さを伝えた。

(道・道教委 2021-03-31付)