道立校の3年度学校運営協議会 鵡川高など新たに11校 道教委 今回で合計41校に
(道・道教委 2021-04-06付)

 道教委は3年度、鵡川高校など道立高校4校、岩見沢高等養護学校など道立特別支援学校7校に学校運営協議会を設置した。3月30日の教育委員会会議で決定したもの。道内で学校運営協議会を設置した道立高校は24校、道立特別支援学校は17校となった。

 学校運営協議会の設置については、道教委と道立学校長の権限と責任のもと、道立学校の運営および当該運営への必要な支援に関して協議する機関として、保護者と地域住民等が学校運営に参画し学校との連携を強め、一体となって学校運営の改善のほか、幼児児童生徒の健全育成を図ることを目的としている。

 役割としては、校長が毎年度、作成する教育課程の編成等に関する基本方針を承認することや、学校運営に関する事項について、教育委員会または校長に対して意見を述べることなどができる。

 今回、道立高校と道立特別支援学校の校長から学校運営協議会の設置について申請があったため、教育委員会規則のもと、設置することを決定した。

 今回、道立高校では鵡川高、松前高校、東川高校、斜里高校の4校。

 道立特別支援学校は岩見沢高等養護、小樽高等支援学校、函館盲学校、函館高等支援学校、函館養護学校、今金高等養護学校、中札内高等養護学校の7校となった。

 設置は1日から。

 特徴と効果はつぎのとおり。

【道立高校】

◆鵡川高

▼学校および地域の状態等

 鵡川地区連携型中高一貫教育の推進や高校魅力化コンソーシアムの形成など、地域や小・中学校と連携して課題解決のための取組を実施している。

 むかわ町鵡川地区すべての小・中学校が学校運営協議会を設置している。

 高校魅力化コンソーシアム等によって、学校と地域が連携・協働し、高校の魅力化を図り、地域創生の貢献に取り組んでいる。

 職員会議やPTA役員会、コンソーシアム運営委員会において、学校運営協議会の目的や仕組みの理解を図っている。

 鵡川地区中高一貫教育連携推進協議会が組織されており、地域の実情に応じた取組を推進する組織体制・支援体制が構築されている。

▼特徴・期待される効果

 町や企業、中・高・大の連携のもとで高校魅力化コンソーシアムを組織するなど、各種取組を推進する体制ができていることから、同校に学校運営協議会が設置されることによって、地域社会に貢献できる人材育成の取組について一層の充実が期待される。

 むかわ町内における鵡川地区のすべての小・中学校に学校運営協議会が設置されていることから、鵡川地区での地域と学校の連携・協力体制が確立されており。同校での設置によって、学校と地域の連携が強化され、学校と地域が一体となった教育活動の推進が期待される。

◆松前高

▼学校および地域の状態等

 「松前学」の実践や中高生徒会交流会の開催など、地域と連携した取組を実施している。

 松前町内すべての小・中学校が学校運営協議会を設置している。

 職員会議やPTA役員会、学校ホームページ等において、学校運営協議会の目的や仕組みの理解を図っている。

 町内に学校運営協議会(松前学園)が組織されており、地域の実情に応じた組織体制・支援体制が構築されている。

▼特徴・期待される効果

 松前町内すべての小・中学校に学校運営協議会が設置されていることから、町内での地域と学校の連携・協力体制が確立されており、同校に学校運営協議会が設置されることによって、地域の人的・物的資源を活用した組織的な教育活動の推進が期待される。

 地域からは、同校の魅力化の推進と高校を核とした地域全体の活性化が強く求められており、同校での設置によって、地域社会に貢献できる人材育成の取組について一層の充実が期待されている。

◆東川高

▼学校および地域の状態等

 国際理解教育にかかる研究開発学校や異校種間の授業交流、地域人材による学習ボランティアなど、小・中学校や地域と連携した取組を推進している。

 東川町内すべての小・中学校が学校運営協議会を設置。

 地球規模で活躍する人づくりに向けた取組「Glocal Mind」の育成などを通して、地域の豊かな教育資源を活用した地域に貢献する人材の育成に取り組んでいる。

 職員会議やPTA会議、地元企業や地域住民の参加する会議等において、学校運営協議会の目的や仕組みの理解を図っている。

 東川高校教育振興協議会が組織されており、地域の実情に応じた組織体制・支援体制が構築されている。

▼特徴・期待される効果

 異校種間の授業交流、国際理解教育等を通じて町内の小・中学校との連携や協力体制が確立されており、同校への設置で地域から学校運営への支援や教育活動への参画・協力を得て、地域と一体となった学校づくり推進が期待される。

◆斜里高

▼学校および地域の状態等

 地域の団体等とコンソーシアムを構築するなどして、魅力的な高校づくりを進め、全国から地域留学生を受け入れる高校生対流促進事業など、地域と連携した取組を実施している。

 斜里町内すべての小・中学校が学校運営協議会を設置している。

 斜里高校振興会の協力や高校生対流促進事業を通して、地域留学生の受け入れなど、特色ある学校づくりに取り組んでいる。

 職員会議やPTA役員会、斜里高校振興会において、学校運営協議会の目的や仕組みの理解を図っている。

 町内における地域の魅力づくりに向けた意見交換会等を活用した組織体制・支援体制が構築されている。

▼特徴・期待される効果

 高校生対流促進事業を通して町内の連携や協力体制が確立されていることから、同校に学校運営協議会が設置されることによって、未来を担う地域社会人を育成する教育活動のより一層の充実が期待される。

 斜里高校振興会において、地域に根差した特色ある学校づくりに取り組んでおり、同校での設置によって地域から学校運営への参画・協力を得ることで、より地域と一体となった学校づくりの推進が期待される。

道教委 道立学校CS導入 特徴と効果

【道立特別支援学校】

◆岩見沢高等養護

▼学校および地域の状態等

 肢体不自由のある生徒に対し、個々の教育的ニーズに応じた教育を実施。

 岩見沢市立の小学校14校、中学校9校のうち、小学校5校、中学校3校が学校運営協議会を設置。

 近隣の小・中学校、高校とのボランティア活動、スポーツ交流や部活動の取組など、生徒が主体となった活動を実施している。

 地域企業と連携を図り、製菓の商品開発や販売を行うなど、地域における教育活動を推進している。

▼特徴・期待される効果 

 教育関係者、福祉関係者等と連携を図ることによって、個々の生徒が主体的に社会参加していくために必要な資質・能力の育成に向けた教育活動の充実につながることが期待される。

 地域住民等と意見交換を行うことによって学校行事への参画を促進し、連携・協働による教育活動の充実が期待される。

 近隣の小・中学校、高校との交流および共同学習や、地域企業と連携を図った取組などを地域社会に周知することで、障がい者理解の促進が期待される。

◆小樽高等支援

▼学校および地域の状態等

 知的障がいのある生徒への個々の教育的ニーズに応じた職業教育を実施。

 小樽市立の小学校18校、中学校12校のうち、小学校5校、中学校2校が学校運営協議会を設置。

 生徒が運営するカフェを校内に設置し、地域の人々に利用してもらうなど、地域資源を活用した取組を実施。

 近隣海岸の清掃などの地域貢献活動や、木工科が製作した製品をミャンマーの小学校に届けるユネスコスクールとしての国際貢献活動を継続的に行っている。

▼特徴・期待される効果 

 地域の企業や関係機関などと連携を図ることによって、同校生徒の進路実現に向けた幅広い職種の開拓等につながることが期待される。

 学校が地域に貢献できることなどについて、地域住民や関係機関と意見交換を行い、協働することによって、同校の教育活動のさらなる充実が図られることが期待される。

 同校の教育活動を広く地域社会に周知することによって、障がい者理解の促進が期待される。

◆函館盲

▼学校および地域の状態等

 視覚障がいのある児童生徒等に対し、幼・小・中学部で一貫した個々の教育的ニーズに応じた教育を実施している。

 函館市立の小学校43校、中学校21校のすべてが学校運営協議会を設置。

 町内会などの地域住民をはじめ、市内の点訳や朗読のボランティア関係者が多数来校するなど、地域の協力を得ながら教育活動を展開している。

 教育関係者および道南圏域の福祉関係機関から視覚管理を中心とした医療面や、視覚障がい教育・福祉に関する助言と協力を受けるなど、関係機関と連携を図った支援を行っている。

▼特徴・期待される効果 

 町内の清掃活動や学校行事などの教育活動へ地域住民の参画を促すことによって、地域での教育活動をさらに充実させるとともに、地域における障がい者理解の促進が期待される。

 市内の公共施設や企業と連携を図ることによって、体験学習、校外学習、職場体験学習等の受け入れ先の拡大を図るなど、児童生徒の地域における学習活動の充実が期待される。

 地域と学校の連携・協働を進めることによって、災害時の避難や、物資の備蓄等にかかわる地域での協力体制の構築が期待される。

◆函館高等支援

▼学校および地域の状態等

 知的障がいのある生徒への個々の教育的ニーズに応じた職業教育を実施している。

 全校生徒で函館マラソンのボランティア活動に参加するなど、社会貢献活動を実施している。

 地域と学校をつなぐ開かれた場・つながる場として、校内にカフェを設置し、地域住民と交流、教育活動への理解促進を図っている。

▼特徴・期待される効果 

 地域の企業等と連携を図ることで、生徒の勤労意欲や関心を高める就業体験・現場実習先の拡充が期待される。

 地域が同校に求めることや学校が地域に期待することなど、現在の教育活動について振り返り、意見交換を行うことで、新たな発想での教育活動の展開が期待される。

 地域および保護者と連携し、教育活動を広く地域に伝えることによって、知的障がい教育の実践を発展させ、地域における障がい者理解の促進が期待される。

◆函館養護

▼学校および地域の状態等

 肢体不自由のある児童生徒への個々の教育的ニーズに応じた教育を実施している。

 近隣の小学校および中学校と3校連携会議を立ち上げ、学習発表会や作品の交流等の交流および共同学習を実施するなど、地域の学校と連携した教育活動を推進している。

 管内市町村教委との連携、パートナー・ティーチャー派遣事業推進校として肢体不自由教育の専門性を生かしたセンター的機能を発揮している。

▼特徴・期待される効果 

 医療・療育・福祉・学校等関係機関との連携を充実させることによって、児童生徒の卒業後の生活の場や福祉的就労の場の拡充が期待される。

 近隣の小・中学校との交流および共同学習、地域住民と合同での清掃活動などの取組を広く周知することによって、教育活動の場の拡大や地域における障がい者理解の促進が期待される。

 3校連携会議で培った基盤を生かし、災害や感染症などの危機に柔軟に対応できる地域連携・協働体制のさらなる構築を図ることが期待される。

◆今金高等養護

▼学校および地域の状態等

 知的障がいのある生徒への個々の教育的ニーズに応じた職業教育を実施。

 今金町立のすべての小・中学校が学校運営協議会を設置。

 町内全戸が同校の後援会に加入しているなど、地域全体を挙げた同校への支援・協力体制が構築される。

 町と締結した卒業生の就労支援・自立支援に関する連携協定や、町の商工会を中心に立ち上げた障がい者の雇用をコーディネートする一般社団法人による生徒の就労支援が行われる。

▼特徴・期待される効果 

 行政機関や企業などとの連携のさらなる強化によって、現場実習や製品販売会等の学習活動、地域住民へ学習成果を発表する機会の広がりが期待される。

 町との連携・協働体制についての熟議によって、災害時における生徒の安全やライフラインの確保について、地域での協力関係の構築が期待される。学校が地域に貢献できることについて地域住民から同校の教育活動に意見をもらい、各学科の製品づくりに反映させることなどが期待される。

◆中札内高等養護

▼学校および地域の状態等

 知的障がいのある生徒への個々の教育的ニーズに応じた職業教育を実施。

 中札内村立のすべての小・中学校が学校運営協議会を設置。

 地域の学校との交流および共同学習として、小学生らを招いた作業学習体験や、地域貢献学習として地域施設の清掃などを実施している。

 地域行事への参加や、地域住民と協働した地域での寄宿舎余暇活動の実施など、地域との連携・協働体制の構築が図られている。

▼特徴および期待される効果 

 地域住民や近隣施設等と意見交換を行い、連携を強化することによって、現場実習の受け入れや、各学科製品の販売活動・交流・開発など、教育活動の拡充が期待される。

 地域人材の情報を収集し、作業学習でのゲストティーチャーや職業講話での講師などとして、地域人材を活用することによって授業の充実が期待される。

 地域住民や行政機関と連携を深めることによって、中札内村の活性化に寄与する取組を促進させるとともに、地域における障がい者理解の深化が期待される。

(道・道教委 2021-04-06付)

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