文科省　マイスター・ハイスクール　指定校に静内農業高　産業人材育成システム構築

（国 2021-05-25付）

　文部科学省の本年度新規事業「マイスター・ハイスクール（次世代地域産業人材育成刷新事業）」に、管理機関として道教委、ＪＡしずない、新ひだか町、指定校に静内農業高校（佐藤裕二校長）が採択された。事業名を「地域発次世代イノベーター人材の育成～持続可能な日高農業の創り手」とし、取組を推進。今後、運営委員会や推進委員会を立ち上げ、５年後、１０年後を見据えた高校段階で育成すべき産業人材を輩出するための実施計画「マイスター・ハイスクールビジョン」を作成し、最先端の産業人材育成システムの構築を目指す。

　第４次産業革命の進展、デジタルトランスフォーメーション（ＤＸ）、６次産業化など、産業構造や仕事内容は急速に変化し、アフターコロナ社会においては、こうした変化が一層急激になることが予見されている。

文科省が進める事業は、成長産業化に向けた革新を図る産業界と専門高校が一体・同期化し、地域の持続的な成長をけん引する人材を育成するもの。絶えず進化する最先端の職業人材育成システムを構築して成果モデルを示し、全国各地で地域特性を踏まえた取組を加速化させることを目的とする。実施期間は３ヵ年。

　事業に共同で取り組む学校設置者、産業界、地方公共団体などをまとめて管理機関と称し、共同申請で実施。その際、専門高校も指定する。

　管理機関は、運営に関する意思決定、評価などを行うマイスター・ハイスクール運営委員会を設置する。地方公共団体が掲げる地域産業の未来像を実現するため、５年後、１０年後を見据えた高校段階で育成すべき人材像の検討を行い、それに資する人材を育成する実施計画となるマイスター・ハイスクールビジョンを策定し、ビジョンの検証・改善、進ちょくを管理する。

　統括者の役割を果たすマイスター・ハイスクールＣＥＯを産業界等から選任。運営委員会の下に設置するマイスター・ハイスクール事業推進委員会の委員長とするとともに、学校管理者は、マイスター・ハイスクールＣＥＯを指定校に管理職等として配置する。

　推進委員会は、実施計画に基づいて、人材の育成に必要な学科や年限の改編も含めた教育課程の刷新の方向性などを検討、決定する。

　指定校は、産業界等の施設・設備を活用し、体系的な授業・実習を一定程度実施。高校生が社会で活躍する数年先において、社会実装される技術等にかかる知見を有する技術者・研究者などを産業実務家教員として、産業界などからの出向か兼務で担ってもらうことを想定。

　管理機関は、研究開発の成果普及を実施するため、随時管理機関や学校ホームページなどで成果を発信し、研究成果報告会を開催する。

　今回、全国では１２機関が採択された。

　道内からは、道教委、ＪＡしずない、新ひだか町を管理機関として採択。指定校に静内農業高が決まった。「地域発次世代イノベーター人材の育成～持続可能な日高農業の創り手」と題して取り組む。

(国 2021-05-25付)