【解説】コロナで中退　２０２４人

（解説 2021-05-27付）

　文部科学省は、新型コロナウイルスの影響を受けた学生への支援状況等に関する調査（令和３年３月時点）の結果を公表した。影響を受けて中退した学生は２０２４人、休学した学生は４６２７人であることが判明し、引き続き大学等と連携した支援を継続する。

　調査対象は全国の国公私立大学（短期大学を含む）、高等専門学校。調査は３月３０日から実施し、４月２６日時点で回収率は９５・５％。経済的に困難な学生に対する支援状況や中途退学者・休学者の状況などを調べた。

　２年度の大学院生を含む中退者数は５万７９１３人で、学生数に占める割合は１・９５％だった。

　うち、新型コロナウイルス感染症の影響によるものと判明しているのは２０２４人だった。

　主な理由は、「経済的困窮」１６・７％、「転学等」１６・１％など。

　休学者数は６万７０３４人で、学生数に占める割合は２・２６％。

　新型コロナウイルス感染症の影響と判明しているのは４６２７人。「経済的困窮」１５・８％、「心身耗弱・疾患」８・０％などが主な理由として挙がった。海外留学が大きく減少したことも要因となっている。

　調査結果を踏まえ、各大学等は、本年度も前期分の授業料の納付猶予や、大学独自の授業料等減免などを行う。

　全体の９５・７％の大学等で前期分の授業料の納付を猶予し、７３・７％の大学等で納付期限を７月以降に設定。７０・７％の大学等では、経済的に困難な学生を対象に独自の授業料等減免を予定している。

　文科省は、新型コロナウイルス感染症の影響は今後も続くと考えられるため、引き続き状況を注視するとともに、大学等と連携して学生へのきめ細かな支援を継続するとしている。

(解説 2021-05-27付)