道教委・倉本教育長が就任会見 安全と学び 両立図る 教員確保 道内外から人材を
(道・道教委 2021-06-03付)

倉本新教育長就任記者会見
倉本新教育長

 1日付で就任した道教委の倉本博史教育長は、道庁別館で記者会見を行った。コロナ禍における子どもの安全の確保と学びの保障の両立を掲げ、学校現場と一体で対応する意向を表明。地域全体で子どもを見守る学校づくり、不安や孤立感を抱える子どものための相談体制の整備、道内どの地域でも質の高い教育を受けることのできる環境整備の重要性を強調した。不足する教員の確保に向けては、教職の魅力発信と学校における働き方改革を同時に進め、道内外からの人材確保に努めるとした。

 はじめに、倉本教育長は「学力・体力の向上、いじめの防止、学校における働き方改革、ICT環境の充実、地学協働体制の構築など、求められる教育施策は幅広く多岐にわたる」との認識を示した。

 その上で新型コロナウイルス感染症への対策が急務であるとし、緊急事態宣言下における取組や各学校の状況などを把握し、安全・安心で充実した教育の環境づくりに努めていくとした。

 地域一斉の臨時休業については慎重に検討する姿勢を示し、感染リスクを可能な限り抑えて教育活動を継続する「安全の確保」と「学びの保障」の両立が重要と強調。感染症対策に関する新たな情報や知見を施策に取り込んで学校に周知し、学校現場と一体となって取り組んでいくとした。

 コロナ禍で不安や孤立感を抱える子どもの相談体制の充実とともに、「地域・周囲の大人も含む地域全体で子どもを見守る学校づくりが今後一層重要になる」と強調。

 人口減少が教育分野に大きな影響を与えていることから、道内あらゆる地域で質の高い教育を受けられる教育環境の整備が重要とし、「充実した学びのプロセスを通じ、時代の変化を乗り越える力を身に付けることができるよう、教育関係者、保護者、道民とともに全力を尽くしたい」と述べた。

 教員不足の課題解消に向けては、教職の魅力発信と学校における働き方改革を同時に進める必要があるとの認識を示し、地域の小規模校ならではの魅力を発信し、道内外からなり手を確保していくとした。

 部活動における感染症対策については、対外試合以外の様々な場面で注意が必要とし、「顧問に任せきりにするのではなく、校長のリーダーシップのもと情報を共有し、学校として確固たる方針をつくってほしい」と要請。

 最後に、教育の内容や環境が大きく変化していることを踏まえ、感染症の状況を見極めた上で学校現場を視察し、問題を把握したいとし、「教育には、新しいことを知り、体験し、考える楽しさがあると思う。“学ぶ楽しさ”が感じられる教育活動が少しでも広がってほしい」と期待した。

(道・道教委 2021-06-03付)

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