道教委 外国人児童生徒等の教育支援 新たに実態把握へ調査 7~10月 コース別に研修
(道・道教委 2021-06-08付)

道教委は4日、3年度帰国・外国人児童生徒等教育の推進支援事業運営協議会をオンラインで開催した。運営者も含め約30人が参加。学校支援では、ウェブ会議システムを活用した相談支援を図るほか、新たに中学校・高校における進学・キャリア支援にかかる実態把握へ調査に取り組む。教員研修は7~10月に3回実施し、うち2回は参加者のニーズに合わせて選択できるようコース別で提供する。指導資料については、『外国人児童生徒等の日本語能力に応じた初期指導マニュアル』の追補版などを作成する。

 道教委は、平成29年度から国の事業を活用し、道教育大学の協力も得て学校への相談支援、研修会の開催、指導資料の作成などに取り組んできた。

 日本語指導等が必要な帰国・外国人児童生徒等に対し、受け入れ体制の整備や特別の教育家庭、日本語指導の在り方、学校生活への適応など、教育を進めるための方策を協議し、各地域や学校における支援の充実に資することが目的。

 開会式冒頭、行徳義朗義務教育課長があいさつ。昨年7月に文部科学省が作成した外国人の子どもの就学促進および就学状況の把握等に関する指針をもとに、各学校、市町村教委などで取組を進めることが求められていると説明。

 道教委が掲げる2つの重点を踏まえ、新型コロナウイルス感染症の対応や1人1台端末の積極的な活用促進を念頭に置きながら、「一つでも多くの課題解決の道筋をつかんでいく」と述べた。

 続いて、義務教育課の山本泉美指導主事が国や本道の現状、これまでの取組と本年度の重点について説明。

 本道における日本語指導が必要な幼児児童生徒(2年5月1日時点)は、小学校108人、中学校31人、高校6人、特別支援学校1人。義務教育諸学校における児童生徒の受け入れは37市町村。受け入れ地域の散在化、母国・母文化の多様化が進んでいると分析。

 このため、これまでの取組を踏まえ、本年度の重点を、①すべての校種における円滑な受け入れ②ICT活用等による指導の充実―の2点と設定。前年度からの継続して、幅広く支援していく。

 市町村・学校に対しては、日本語指導有識者による市町村・学校への訪問支援に加え、ウェブ会議システムを活用した相談支援を行う。新たに、中学校、高校における進学・キャリア支援にかかる実態把握に取り組む。

 教員研修について、本年度は7~10月に3回、ウェブ会議システムを活用して行う。1回目は全体で受け入れ体制や日本語能力の把握に関する内容、2~3回目はコース別でプログラムを設定し、参加者の実態やニーズに応じて選択して参加できるよう提供する。

 指導資料は、昨年作成した『外国人児童生徒等の日本語能力に応じた初期指導マニュアル』の追補版を作成。道内外の先進事例の把握・情報提供をもとに、受け入れ体制の整備例や日本語能力に応じた指導プログラム例、ICTを活用した日本語指導例などを盛り込む予定。

 また、『帰国・外国人児童生徒が生き生きと学校生活を送るために(Q&A)』の追補版作成にも取り組む。どちらも年度末までに完成させ、道教委ホームページで公開する。

 このあと、田口範人義務教育課課長補佐の進行で、テーマ「帰国・外国人児童生徒等教育の充実に向けた関係機関が連携した支援の在り方について」のもと参加者が協議。

 学校関係者は、「タブレット端末を活用して日本語の学習を進めている」「ボランティアが丁寧に支援している」などと取組を報告。一方、「卒業後の進路について保護者への伝え方が難しい」「文化が違う」「支援する側の人手不足も課題」などの声も上がった。

(道・道教委 2021-06-08付)

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