みんなで仲良く生活を　千歳市北進小中道徳授業　コロナ対策共同宣言を再確認

（コロナウイルス関連 2021-06-11付）

「できることをしっかりやっていこう」と、全校朝会で生徒会長が呼びかけ

　千歳市立北進小中学校（佐藤貢校長）は、新型コロナウイルス感染症にかかわる道徳の授業を展開している。昨年１１月、児童生徒は感染症拡大への不安や意見を共有し、基本的な対策や罹患者に対するいじめの未然防止策を盛り込んだ「北進小中学校コロナ対策共同宣言」を作成。ことし５月、緊急事態宣言の発令に伴って道徳の授業を再編成し、意見交流なども踏まえ、あらためて共同宣言の内容を確認した。

　同校は昨年１１月、新型コロナウイルス感染症にかかわる、いじめ未然防止に向けた道徳の授業を行った。新型コロナウイルス感染症に関連して、学校や教室内で起こり得る差別・偏見について考え、適切な行動をとることができるようになることが目的。

　はじめに、小学部と中学部で、学級ごとにいじめや感染症について不安に感じていることを話し合った。続いて小学部では、ロールプレイを通して、新型コロナウイルス感染症に罹患した人への適切な言動を実践的に学んだ。中学部では学部集会を開き、学級ごとの意見を交流した。

　意見交流を経て、児童生徒会を中心に北進小中学校コロナ対策共同宣言をまとめた。マスクの装着や換気など、基本的な感染症対策のほか、全校児童生徒が仲良く学校生活を送るために「やさしい気持ちをもつ」ことなどを宣言に盛り込んだ。　

　保護者には、子どもの生活リズムや家庭内での様子などを確認できるよう『心の健康チェックシート』を配布。また、心配事を記載する欄から保護者の気持ちを読み取り、教育相談や面談の機会を設けた。昨年はチェックシートの提出に伴って４件の相談があった。

　ことし５月、新型コロナウイルス感染症拡大を受けて、緊急事態宣言が発令された。変異株の感染拡大に伴い、子どもへの感染リスクの可能性を考え、同校は道徳の授業を再編成。あらためて北進小中学校コロナ対策共同宣言の内容を考える授業を展開した。

　昨年と同じく、学級ごとの話し合いや中学部での意見交流を行い、感染症への不安や様々な思いを共有した。また、共同宣言について中学部生徒が小学部児童に説明。イラストカードなどを使った生徒からの説明は分かりやすく、児童の心により強く訴えかけ、持続的に共同宣言の内容を覚えている児童が多かったという。

　今月１日の全校朝会では、児童生徒会があらためて共同宣言を周知した。生徒会長は、マスク装着への不快感に関して児童生徒と気持ちを共有した上で、「感染者が増えている中で、ほかの人に移さないようマスクをつけることが大事。自分たちにできることをしっかりとやっていこう」と全体の士気を高めた。

　同校で道徳授業を推進する設楽美香教諭は「感染症が拡大する中で、子どもたちが求めることは“仲良く”“楽しく”といったシンプルなものであり、学校生活の根本を見直す機会となった。今後も道徳の授業を通して、様々な角度から自分の命を守る方法を伝えていきたい」と話していた。

　共同宣言には「手洗い・うがい」について記載しているが、現在、洗面所でのうがいはマスクを外した状態となり、唾液の飛沫などによる感染リスクがあるため中止している。同校は、一つ一つの行動による感染リスクを見極めながら、児童生徒が「仲良く」過ごせるように日々活動している。

(コロナウイルス関連 2021-06-11付)