学校力向上中核校・網走小 働き方改革 勤務時間意識化・共有 アクション・プランを策定(学校 2021-06-17付)
【網走発】道教委の学校力向上に関する総合実践事業中核校で、本年度は働き方改革推進事業の推進校に準ずる学校としても位置付けられた網走市立網走小学校(吉田昌広校長)。「網小アクション・プラン」を策定し、令和2年12月から出退勤マネジメントボードによる勤務時間の意識化、不在伝言ボードによる情報共有など、働き方改革に向けた取組を進めている。学校力向上に関する総合実践事業の各指定校へ取組内容を周知するなど、市内全体への普及を目指している。
学校力向上に関する総合実践事業は、管理職のリーダーシップのもと、全教職員が一つのチームとなって包括的な学校改善を推進する学校モデルを提示し、実践の成果を普及・啓発するシステムを構築することによって、本道の小・中学校の学校力向上を図るもの。
道教委は本年度、社会に開かれた教育課程の実現に向けた取組に加え、道アクション・プラン(第2期)を踏まえ、質の高い教育活動を持続的に行う手引『Road』を活用した働き方改革の実施を盛り込み、各管内の中核校および指定校から1校を働き方改革推進事業の推進校に準ずる学校に位置付けている。
同校は、平成25年度から学校力向上に関する総合実践事業の指定を受け、「組織力」「授業改善」「人材育成」などの重点に基づき包括的な学校改善を推進。中核校として、各指定校をはじめ市内全体への取組内容の発信・普及に努めている。
働き方改革については、これまでも連絡網の廃止、学年学級経営案の記載事項の精選などに取り組んできたが、より効果的な取組を進める重要性から、担当の大垣正紀教頭や各分掌・学年などの代表者による会議で検討し、網小アクション・プランを策定。昨年12月から取組を開始した。
◆奨励退勤時刻を午後6時30分に
「1ヵ月当たりの超過勤務時間が45時間を超える教職員をゼロに」を達成するため、文部科学省『公立学校の教師の勤務時間の上限に関するガイドライン』に示されている上限・月45時間、年360時間から逆算して、奨励退勤時刻を午後6時30分と設定した。
具体的な取組については、①勤務時間を意識した働き方改革に関すること②業務の効率化・簡略化に関すること③環境整備に関すること―の3点に基づき進めている。
①では、出勤時間にその日の退勤予定時刻を記入する出退勤マネジメントボードを作成し、教職員一人ひとりの勤務時間を可視化している。また、毎週月曜日を「学校完全消灯の日」と定め、午後6時30分には校内を消灯・施錠している。それに伴い、月曜日にはPTA会議を予定に組み込まないようにするなど、保護者への協力を求めた。
②では、午後6時以降は電話対応をしないこととし、年度当初の学校経営説明会などの機会を通して、その旨を保護者や関係機関に周知した。
③では、退勤時刻の午後4時30分に、それを知らせるチャイムを鳴らしている。また、担当者の退勤後に保護者などから電話連絡があった場合、適切に引き継げるよう不在伝言ボードを作成し、職員間で情報共有している。
これらの取組の成果と課題は、分掌や学年ごとに検証し、チェックシートに記入。全体で共有し、改善に生かしている。
前年度のチェックシートに寄せられた意見をみると、「見通しをもって業務に取り組めるようになった」「月曜日の定時退勤によって早く帰る習慣がついた」といった成果が挙がった。一方、持ち帰り業務について課題がみられたことから、本年度のアクション・プランに「勤務時間と持ち帰り業務の削減のため、スクール・サポート・スタッフの効果的な運用を図る」という取組を追加した。
この取組を通して目指しているのは、教職員一人ひとりの“ワークライフバランス”の実現。大垣教頭は「教職員が勤務時間を自分でマネジメントし、働き方改革につながってほしい」と話している。
(学校 2021-06-17付)
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