文科省 GIGAスクール加速化踏まえ 近視実態調査を開始 道内指定 附属函館小・中で
(学校 2021-06-28付)

文科省近視実態調査研究事業
最新機器を使用し、眼軸長と屈折性近視を測定

 【函館発】文部科学省は本年度、小中学生の近視の状況を把握するため、初の実態調査を進めている。GIGAスクール構想の加速化などに伴い、近視への有効な対策の検討につなげるもの。道内では、道教育大学附属函館小学校(橋本忠和校長)と附属函館中学校(中村吉秀校長)の2校を対象に調査。24日には、附属函館中の生徒約300人が、角膜から網膜までの長さを図る眼軸長測定器などを活用した検査を受けた。白川卓副校長は「コロナ禍でタブレットを活用した授業が進む中、科学的なデータに基づいた結果が示されることによって、今後の対応策なども考えることができる」と、実態調査の成果に期待を寄せている。

 文科省の令和元年度学校保健統計調査によると、裸眼視力が1・0未満だった小学生は34・57%、中学生は57・47%にのぼり、いずれも過去最多。その多くが近視によるものと分析しているが、学校の健康診断では裸眼視力の測定のみにとどまっており、近視対策の有効な手立てを講じる必要性が高まっている。

 本年度から始まったGIGAスクール構想や家庭におけるICT機器の使用環境などを踏まえ、文科省は初となる大規模な近視実態調査研究事業を開始。全国の児童生徒約9000人を対象に、経年変化を分析する観点から、校区が包含関係にある学校の参加を募集。道内からは、附属函館小と函館中が指定を受けた。

 24日に附属函館中で行われた調査には、全校生徒約300人が参加。医療機関から派遣された検査技師が専用の機器で、近視により長くなるとされる角膜から網膜までの長さ「眼軸長」と、角膜や水晶体の光を屈折する力が強いために発生すると言われる「屈折性近視」を、1人当たり3分程度で測定。スマートフォンの使用時間や外遊びの頻度など、生活習慣に関するアンケートも事前に行い、視力への影響や近視に伴う関連性を分析するための基礎データを収集した。

 調査を見守った白川副校長は「新型コロナウイルス感染症の影響で、GIGAスクール構想が急速に進んでいる。中でも健康上の問題でもある近視について、科学的なデータに基づいて示されることで、学校としても対応策を考えることができる」と話していた。

 文科省は、調査結果の集計・分析後、視力悪化の詳細を明らかにし、有効対策を検討。児童生徒の視力対策のための啓発資料を作成し、周知する。

 25日には、附属函館小でも同様の調査が行われた。

(学校 2021-06-28付)

その他の記事( 学校)

旭川盲・函館盲 初の遠隔交流 寄宿舎の様子など紹介 ICTで身近な友人に

旭川盲と函館盲の寄宿舎オンライン交流  【旭川発】旭川盲学校(宮岸尚平校長)は6月17日、函館盲学校(野戸谷睦校長)とオンラインによる寄宿舎交流を行った。旭川盲の児童生徒11人と函館盲の児童生徒3人がGoogle meetを介し...

(2021-07-01)  全て読む

札幌聖心女子学院中・高 1人1台端末でタイの学校と 日本語等で文化交流

札幌聖心女子オンライン交流  札幌聖心女子学院中学校・高校(齊藤隆浩校長)の高校1年生は22日、タイ・王立ナミワン高校とのオンライン交流会を開いた。全員が活発に交流できるよう、1人1台端末を活用。両校生徒は主に日本語で...

(2021-06-30)  全て読む

地元企業の地域貢献活動受け 感謝の心で生きる力を 紋別高等養護・奥田校長

紋別高等養護グラウンド整備  【網走発】紋別高等養護学校(奥田雅紀校長)で16日と17日、紋別市内の建設企業・北方建設産業(株)がグラウンド整備を行った。同校の生徒たちが日ごろから地域のために活動している姿を見て同社が...

(2021-06-29)  全て読む

運動会前に校庭整備 砂川市空知太小で建設企業2社

空知太小グラウンド整備  【岩見沢発】砂川市立空知太小学校(戸澤法史校長)で18日、近隣の建設企業・㈱泰進建設と極東建設㈱によるグラウンド整備が行われた。7月3日の運動会を前に、子どもたちが安全に使える環境を整備。...

(2021-06-29)  全て読む

有朋高単位制 「ほっとライン」開設 遠隔で進路の悩み解消 〝選ばれる学校〟目指す

有朋高オンライン就学相談  様々な理由から登校への不安を抱える児童生徒が増加する中、有朋高校(元紺谷尊広校長)の単位制課程は、多様な教育ニーズに対応する学校として位置付けられている。ことし5月には、オンラインによる就...

(2021-06-28)  全て読む

網走養護 オンライン相談 センター的機能発揮 コロナ禍も必要な支援を

網走養護オンライン相談支援  【網走発】網走養護学校(上村喜明校長)は15日、オンラインで相談支援を行った。同校と相談要請校をウェブ会議システムZoomでつなぎ、特別支援教育コーディネーターを務める同校教諭が生徒の様子...

(2021-06-25)  全て読む

倶知安農高生産の花きプランター 地元工事現場等に設置 小樽建設協会員が協力

倶知安農業高建設協会花プランター  【小樽発】倶知安農業高校(近江勉校長)の生徒が育成した花きのプランターが、後志管内の工事現場事務所などに設置されている。新型コロナウイルス感染症の影響で販売会が中止となったことから、小樽建...

(2021-06-25)  全て読む

専門高フューチャープロジェクト 魚類滞留する空間とは 札工 水流測定等で検証

 札幌工業高校(太田潤一校長)の土木科3年生の5人は17日、札幌市内の琴似発寒川で課題研究を行った。市内の㈱北海道技術コンサルタント技術部協力のもと、魚類などが滞留しやすい空間の在り方につい...

(2021-06-22)  全て読む

下川中で名寄の建設企業 駐車場の損傷個所補修

下川中建設会社が地域貢献活動  【旭川発】下川町立下川中学校(藤弘のぞみ校長)で5日、名寄市内の建設会社・北海舗道㈱による駐車場舗装整備のボランティア活動が行われた。同社職員9人が、生徒の安全確保のため、手作業で丁寧に損...

(2021-06-18)  全て読む

大麻高 ハイブリッド型行事 柔軟な思考をもって 健康講話 冨家教授説明

大麻高健康講話  大麻高校(清水信彦校長)は11日、分散登校とオンライン学習を組み合わせたハイブリッド型行事として、1・2年生を対象に健康講話を実施した。道医療大学心理科学部の冨家直明教授が「高校生のための...

(2021-06-17)  全て読む