【解説】教育課程部会第１２４回会議

（解説 2021-06-29付）

　文部科学省の設置する中央教育審議会教育課程部会第１２４回会議（２８日）では、GIGAスクール構想における新学習指導要領の着実な実施をテーマに協議が行われた。

　文科省によると、ことし３月末時点における全国の小・中学校の端末の整備状況は９６・５％。４月から校内通信ネットワークの供用を開始した割合は９７・９％となっている。

　会議で文科省からは、１人１台端末の本格運用に向け①端末の積極的な利用等の推進②通信ネットワークの円滑な運用確保に関する対応の促進③高校の学習者用コンピューターなどＩＣＴ環境整備の促進―の観点から改善方策を説明。

　学校がインターネットに接続する際の通信速度に遅れが生じていることから、これまでの交付金による通信環境の改善の支援のほか、ネットワーク環境の事前評価の実施、ネットワーク増強や契約の見直しなど改善に向けた支援に努めていく考えを示した。

　また、端末の持ち帰り学習に関する取組にばらつきが生じていることから、YouTubeなどの動画による文科省の通知解説や先行する自治体における優良事例の発信などに取り組んでいくとした。

　１人１台端末を活用した各教科等の実践事例を紹介し、ＩＣＴ活用の場面と工夫、期待される効果を示した。ＧＩＧＡスクール標準仕様で活用可能なソフトや機能例を示したほか、文科省のGIGA　StuDX推進チームと教育委員会・学校との情報交換プラットフォームについて解説した。

　出席者は、端末の活用促進に向けた行政の支援やクラウドを活用した協働学習などの事例を紹介。児童生徒の情報活用能力育成、教員のＩＣＴ活用指導力向上に向け、実践の蓄積と日常化の必要性を指摘した。

(解説 2021-06-29付)