【解説】世代別のスポーツ競技大会を

（解説 2021-07-01付）

　経済産業省が設置する地域×スポーツクラブ産業研究会は、第１次提言をまとめた。学校部活動の地域移行に向けた方針の明確化、世代別のスポーツ競技大会への変更を提案。今後、経産省が公募・実施する未来の教室実証事業などを踏まえ、第２次提言「仮称・地域スポーツクラブビジョン」としてまとめる予定。

　提言は、令和２年１０月から３年３月にかけて１０回にわたり議論した内容を中間的にまとめ、６月２５日に公表した。国における休日部活動の地域移行などを踏まえ、サービス業としての地域スポーツクラブの今後の在り方を示した。

　３章で構成され、第１章では、資金循環、活動場所、指導者、派生的な収益機会の可能性について、第２章で国内外の先行事例を紹介。

　教員が地域スポーツクラブで指導に従事する際、学校業務との関連について様々な課題があることを指摘しつつも、スポーツ指導を教職員が行う場合に兼職・兼業として追加報酬を得て従事できる労働環境整備の必要性を挙げている。

　第３章では、地域スポーツクラブを軸とする社会システム像と今後検討すべき５事項を提起。学校部活動の地域移行の方針を明確化する必要性を示し、部活動を社会教育とすることの明確化や、平日も含めた地域移行の具体的方針の明示を提案している。

　学校部活動単位に限らず、世代別にスポーツ競技大会に参加できるよう提案。学校部活動の地域移行に伴い、すべての中央競技団体、中体連、高体連が連携し、学校部活動単位縛りの世代別大会への変更や、新しい世代別大会の設立を挙げている。

　このほか、学校体育施設の社会教育施設化、教育委員会から首長部局への移管と複合施設化などを提案している。

(解説 2021-07-01付)