【解説】免許更新講習に不満 6割(解説 2021-07-07付)
文部科学省は、令和3年度免許更新制高度化のための調査研究事業の結果をまとめた。現職教員の約6割が教員免許講習に「不満」「やや不満」と回答。主な要因として、講習の時間数(30時間)、受講費用の負担感を指摘している。
調査は、現職教師の教員免許更新講習や現職研修に関する認識などを把握するために実施したもの。
インターネットによる抽出調査で、全国の現職教師2108人から回答を得た。勤務先の学校種は、幼稚園3・9%、小学校29・2%、中学校23・6%、高校36・2%、特別支援学校7・1%。
教員免許講習受講に当たって重視する点は「受講会場」が61・3%と最も高く、「受講時期」(57・4%)「講義内容」(40・7%)と続いた。
講習内容の満足度は、受講直後は「満足」「やや満足」57・9%。「やや不満」「不満」16・1%だった。
「最新の知識・技能を修得できた」との回答は52・6%と過半を占めたものの、「受講内容が現在の教育現場で役立っている」との回答は33・4%。理由は「現実とのかい離があり実践的な内容でない」が52・3%を占め、「希望した講義でなかった、義務感で受講した」「情報が古い、すでに知っている内容だった」などが多く挙がった。総合的な満足度は「満足」「やや満足」19・1%、「不満」「やや不満」58・5%。
総合的な満足度と他の設問の相関を分析した結果、講習時間の負担感と総合満足度の低さが最も大きいとし、満足度低下の一因である可能性を指摘している。
自由意見では「制度自体を廃止すべき・免許更新制度に意義を感じない」50・4%、「受講料の支出(交通費含む)が負担・受講料が高い」19・8%、「多忙・負担増の要因」8・3%などとなっている。
(解説 2021-07-07付)
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