【解説】新時代の学校施設　中間報告案

（解説 2021-07-12付）

　新しい時代の学びを実現する学校施設の在り方の中間報告案がまとまった。１人１台端末環境に対応したゆとりのある教室や、読書・学習・情報の中心となる学校図書館「ラーニング・コモンズ」の整備を提案。本年度末までに最終報告をまとめる。

　７日に開かれた文部科学省の設置する新しい時代の学校施設検討部会第６回会議で示した。

　ICTの活用によって学習形態の多様な変容に対応する必要があるとし、１人１台端末を前提とした教室用机の整備やバリアフリー化などを課題として提示。

　新しい時代の学びを実現する学校施設のキーコンセプトとして「Schools　for　the　Future～未来志向で実空間の価値をとらえ直し、学校施設全体を学びの場として創造する」を掲げ、「個別最適な学びと協働的な学びに対応し、柔軟で創造的な学習空間の実現」など５つの方向性を示した。

　１人１台端末環境に対応し、既存の平均的なプランによらない教室面積を確保・整備する有効性を示し、３教室分のスペースを２学級分の空間として利用するなど、既存施設の活用事例を紹介している。

　学校図書館を核としてコンピューター教室と組み合わせ、調べる、まとめる、発表するなどの学習活動を効果的に行うことができるラーニング・コモンズの整備の有効性を指摘。

　教職員のパフォーマンスを最大化するため、リフレッシュや休憩、教員同士が情報交換できるラウンジ、映像コンテンツ制作など、創意工夫の例を記載。

　国に対し「新しい時代の学びを実現する学校施設のスタンダード（仮称）」の作成・提示、財政支援制度の見直し・充実、学校施設整備推進のためのプラットフォーム構築、学校施設整備指針の改訂を求めた。

(解説 2021-07-12付)