【解説】ＳＴＥＡＭ教育の体制整備へ

（解説 2021-07-19付）

　文部科学省は、１５日の中央教育審議会教育課程部会で、ＳＴＥＡＭ教育の推進に向け、特設サイトの開設や都道府県教委の相談体制を整備する方針を示した。総合的な探究の時間に関する高校向け手引も改訂する予定で、教科等横断的な学習の推進を支援する。

　ＳＴＥＡＭ教育は、各教科の学習を実社会での問題発見・解決に生かしていくための教科等横断的な教育。ＳＴＥＡＭは科学、技術、工学、芸術、数学の５つの英単語の頭文字で、Ａについては生活、経済、法律、政治、倫理などを含めたより広い範囲の「Liberal　Arts」として推進することを求めている。

　１月の中教審答申「“令和の日本型学校教育”の構築を目指して」では、ＳＴＥＡＭ教育を「高校における教科等横断的な学習の中で重点的に取り組むべきもの」とするとともに、幼児期からのものづくり体験や科学的な体験の充実、小・中学校における教科等横断的な学習や探究的な学習の充実を求めている。

　１５日の部会では、ＳＴＥＡＭ教育などの教科等横断的な学習の推進に向けて委員が意見を交換。文科省は、ホームページを開設して各地の学校の取組や関連リソースの発掘・見える化を進め、学校全体を通じたカリキュラム・マネジメントの体制、産業界との連携、教育委員会の支援などを紹介するとした。

　また、総合的な探究の時間に関する高校向けの手引を改訂。各学校のスクール・ポリシーとの関連付け、校内の推進体制の整備、校外の団体との連携体制の整備などを解説する。

　ＳＴＥＡＭ教育など教科等横断的な学習を推進する都道府県教委を支援するため、相談体制を整備する予定。経済産業省、産業競争力懇談会などの関係機関を含めた社会との連携体制を構築する。

(解説 2021-07-19付)