【解説】幼小架け橋委員会が初会合

（解説 2021-07-21付）

　中央教育審議会初等中等教育分科会の幼児教育と小学校教育の架け橋特別委員会は２０日、第１回会議をオンラインで開催した。幼児期における教育の特徴や、海外における動向など各委員が意見を発表。年度内に生活や学習の基盤をすべての５歳児に保障する方策をまとめる見通し。

　特別委員会は、幼小間の円滑な接続について専門的な見地から調査・審議を行うため７月に発足した。

　主な検討事項は、生活・学習基盤をすべての５歳児に保障するための方策、各地域において幼児教育を着実に推進するための体制整備、保護者や地域の教育力を引き出すための方策、幼児教育の質的向上、小学校教育との円滑な接続を図る上で必要な事項など。

　第１回会議では、今後の主な論点案として①幼児期の学びの特性②幼児教育の質を支える要素③幼児教育と小学校教育の接続期における教育の質の現状と課題④一人ひとりの成長を支えるために配慮すべき事項―を示し、幼小接続に向け学習指導要領や指針の理念の普及、幼保小が連携した学びや生活の基盤づくりなどの工夫を盛り込んだ。

　委員長に選任された白梅学園大学の無藤隆名誉教授は、乳幼児の発達と遊びと学びの特徴について説明。知識や思考力などの認知能力と意欲、自律心、協調性などの非認知的能力が相互に関連して育つものであるとし、小学校教育の基盤となる幼児教育の重要性を示した。

　このあと、各委員からヒアリング。ある委員は、質の高い幼児教育が読み書き、自己調整、社会的スキルなど、その後の成長に影響する海外のデータを紹介し、保育者が研修を通してカリキュラムへの理解を深め、質の向上を図る政策的支援の重要性を示した。

　第２回会議は８月１０日に開催する予定。

(解説 2021-07-21付)