小中一貫カリキュラム編成全道研修会 発達段階に応じ活動を 京都市・呉市の実践に学ぶ(道・道教委 2021-07-02付)
講演は256人が聴講した
道教委は6月30日、令和3年度小中一貫教育サポート事業カリキュラム編成全道研修会をオンライン開催した。講演は指定地域・指定校以外の学校も視聴可能とし、2年度も講師を務めた京都市教委の吉川康浩首席指導主事のほか、新たに広島県呉市立広南中学校の佐伯育伸教諭などが取組を紹介。指定地域・指定校による協議を行うなど、目標達成に向け研鑚を積んだ。
事業は、中学校区における目指す子ども像の設定および小・中学校の教職員・保護者・地域住民による共有、小・中学校9年間を通じた教育課程の編成・実施など、地域の実情に応じた小中一貫教育の導入および円滑な実施への取組を支援するもの。3年度は8地域14校を指定している。
冒頭、義務教育課の石垣友和指導主事が研修会の趣旨と内容などを説明した。事業の3年度のゴールを「指定地域ごとに設定した目標の達成、成果の普及」と設定していることを確認。学校、教育局、教育委員会と中学校区ごとに取組を進めるよう求めた。
また、研修会に参加を希望する学校を対象に事前アンケートを行い、64校から回答が寄せられたと報告。「多くの学校で、9年間を見通した教科の指導計画が作成途中」「指導計画の効果的な活用が課題」「学習内容や指導方法について教職員間で共通理解を図るには時間や方法に工夫が必要」「指導計画を見直すための校内体制が必要」などの意見を紹介した。
引き続き3氏が講演。指定地域・指定校以外にも希望者が参加し、合計256人が視聴した。
はじめに、吉川首席指導主事が「9年間を見通した指導計画の活用と改善の方策」と題し講演。
現在、京都市に小中一貫校は8校存在し、7年度には小栗栖中学校区、西陵中学校区に義務教育学校を設置することを紹介した。
京都市の小中一貫教育は平成16年の小中一貫教育特区認定から取組が始まり、全小・中学校に小中連携主任、18年には市教委に小中一貫教育推進室を設置して活動。27年度には京都市小中一貫教育ガイドラインを策定し、つけたい力・軸となる取組・活動や、学びの約束・ルールなどを明確にすることを掲げたことなど、5つの実践を紹介した。
吉川首席指導主事は、中1ギャップの解消につながることや不登校者が減ったことを成果に挙げる一方、児童生徒の心身の発達段階に応じた教育活動を進め、地域一体となった取組としていることを伝えた。
また、京都市立向島秀蓮小中学校の取組を紹介。
続いて、広島県呉市立広南中の佐伯教諭と裏山富美子教諭が「資質・能力の育成を目指す小中一貫教育~カリキュラムマップに基づいた授業づくりを通して」と題して講演した。
このあと、指定地域・指定校等の49人が、課題解決や取組推進の見通しなどについて協議した。
この日の講演は、7月中に義務教育課YouTubeチャンネルで期間限定配信する予定。
(道・道教委 2021-07-02付)
その他の記事( 道・道教委)
教員志望高校生対象に 8月6日 セミナー 道教委・道教育大
道教委と道教育大学は、8月6日午後1時から高校生を対象とした教員養成セミナーをオンラインで開催する。教員の仕事や教員養成大学に関する説明のほか、現職教員、大学生、高校生の3者による座談会を...(2021-07-05) 全て読む
道教委 北部ブロック道県教委協 ICTで地方創生を 7県にT―baseの取組紹介
道教委は1日、北部ブロック道県教育委員協議会をオンラインで開催した。特定非営利活動法人ほっかいどう学推進フォーラムの新保元康理事長は、教育の質を高め、地方創生にも寄与する教育のICT化のポ...(2021-07-05) 全て読む
遠隔で倶知安町西小校樺山分校訪問
遠隔で倶知安町西小樺山分校訪問 望ましい方向へ「自走」 後志局が学校教育指導展開 【小樽発】後志教育局は、遠隔システムを活用した学校教育指導(計画訪問)を展開している。初日となっ...(2021-07-05) 全て読む
道立美術館ポータルサイト開設 遠隔で作品鑑賞 各館HPも一斉更新
道教委は1日、道立美術館ポータルサイトを開設した。スマーフォンの利用や多元語化に対応し、道内における各美術館の所在地が一目で分かる道立美術館マップを掲載。各館のホームページもリニューアルし...(2021-07-02) 全て読む
スクール・サポート・スタッフ 3年度 962校に配置 11校増 任用率86・9% 道教委
道教委は、令和3年度のスクール・サポート・スタッフ任用状況(5月31日時点)をまとめた。札幌市を除く道内公立小・中学校、特別支援学校における配置校は962校で、2年度から11校増加。任用率...(2021-07-02) 全て読む
道教委 ICTサポートデスク 相談 15日時点で300件
道教委は、ICT活用サポートデスクの活用状況をまとめた。相談件数は15日時点で約300件で、ネットワークの接続やクラウドサービスの活用など様々な相談が寄せられている。サポートデスクの電話番...(2021-07-01) 全て読む
道・道教委 特別支援教育充実セミナー 支援計画の活用促進を 教育と福祉 連携体制構築
道教委と道保健福祉部は6月21日、特別支援教育充実セミナー(全道セミナー)をオンラインで開催した。約100人が参加し、連携体制の構築を重点とする本年度の事業の方向性を確認。演習・協議では、...(2021-07-01) 全て読む
道教委 学びのDX事業研究協議会 推進校 校種越え実践交流 ICT活用能力 格差是正を
道教委は6月29日、ICTを活用した学びのDX事業第1回研究協議会をオンラインで開催した。小・中学校、高校、特別支援学校の推進校23校がICT活用の実践を発表。今後の課題として児童生徒・教...(2021-07-01) 全て読む
道研 へき地・小規模教育充実研修 指導時間配分に変化を 少人数学級のよさ生かして
道立教育研究所は6月25日、これからのへき地・小規模教育充実研修「複式学級の学習指導」を遠隔型研修で行った。受講者は自身の課題を明確にした上で、函館市立神山小学校の高橋千晶教諭の実践発表、...(2021-07-01) 全て読む
道教委 チャレンジテスト CBT化で負担軽減 小5・6算数 1学期9校で試行
道教委は、家庭学習などで取り組める問題として提供している「ほっかいどうチャレンジテスト」のCBT化(コンピューター上で行う試験)を図り、試行している。現在、5~6年生の算数を配信し、同意を...(2021-07-01) 全て読む