道教委 北部ブロック道県教委協 ICTで地方創生を 7県にT―baseの取組紹介
(道・道教委 2021-07-05付)

北部ブロック道県教委協議会
初のオンライン開催で、8道県の教育委員会委員32人が参加

 道教委は1日、北部ブロック道県教育委員協議会をオンラインで開催した。特定非営利活動法人ほっかいどう学推進フォーラムの新保元康理事長は、教育の質を高め、地方創生にも寄与する教育のICT化のポイントを解説。道高校遠隔授業配信センター(T―base)の元紺谷尊広センター長は、地元高校に通いながら進学の夢をつかめる遠隔授業の可能性を示した。

 北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、新潟県の教育委員会委員が一堂に会し、教育行政上の諸課題を協議するもの。令和2年度に道内での開催を予定していたが、新型コロナウイルス感染症の影響で延期となり、今回初のオンライン開催となった。道主催の協議会開催は9年ぶりで、各道県の教育委員会委員32人が参加した。

 開会に当たり橋場弘之委員は、教員のICT活用指導力の向上に向け、各教育委員会が研修の充実に取り組む必要があるとし、各道県における教育行政の充実・発展につながる活発な議論となるよう、協議会の成果に期待した。

 続いて、新保理事長が「教育のICT化の現状と課題」をテーマに講話。1人1台端末を活用した授業実践、短時間で質の高い内容を提供できる遠隔研修など、全国におけるICT活用の事例を紹介した。

 地域・学校間で取組の進度に差が生じているとし、事例共有・発信の重要性を指摘。新しいことに挑戦する若手教員を応援し、新たな課題に随時対処する心構えをもつよう呼びかけた。

 学校における働き方改革と教職の魅力向上のため、教育現場のICT化が喫緊の課題であるとし、同時に地方創生のチャンスでもあることを強調。「魅力あふれる北部ブロックに若い先生を集めることで、日本最高の教育が実現できる」と述べた。

 高校教育課の岡本浩一課長補佐がT―base開設の背景について説明したあと、T―baseの元紺谷センター長が説明。ICT機器を活用した様々な授業事例を紹介し、習熟度別授業、休業期間における講習や模擬試験など、地元の高校に通いながら将来の夢や希望をかなえることのできる教育環境の実現を目指すことを伝えた。参加者からは、開設までの準備期間や実施体制、生徒の反応など多くの質問が挙がった。

 道立教育研究所の飯塚俊郎研究主幹と猪子政文研究主幹は、本道の広域性に対応したICTを活用した研修様式について説明した。

 最後に、1人1台端末の利活用や学校における働き方改革の施策について情報を交換。教員のICT活用指導力向上、ICT支援員や部活動の外部指導者の確保などが共通の課題として挙がった。

(道・道教委 2021-07-05付)

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