南富良野高１・２年ラフティング　地域の魅力再発見　全生徒によるカヌー授業も

（学校 2021-07-07付）

　【旭川発】南富良野高校（能登啓児校長）は６月下旬、地域資源を生かしたアウトドア授業を展開した。２１日に１・２年生を対象にラフティング授業を行い、２３日から２日間で全校生徒によるカヌー授業を実施した。同校では、今後も自然体験活動に取り組み、街の魅力の再発見などにつなげていく。

　同校では、本年度入学生から新たに教育課程に学校設定科目「アウトドアⅠ」を配置。地域資源を活用した体験型学習を通したキャリア教育を推進するとともに、プレゼンテーション能力やコミュニケーション能力の育成を図ることをねらいとしている。

　かなやま湖やシーソラプチ川をはじめとする自然環境を生かしたアウトドア・アクティビティが盛んな南富良野町。町内には１０社を超えるアウトドアツアーを企画・実施している会社があり、小中高との連携をはじめ社会教育活動も積極的に行っている。

　１年生３人はアウトドアⅠの一環として、２年生１２人・３年生１３人は体育の授業の一環で行った。

　１・２年生を対象としたラフティング授業の事前研修では、「シーソラプチ川から世界へ」と題し、源流から海洋までの水の流れ、周囲の豊かな植生や野生生物の生態について学習した。

　当日はシーソラプチ川において、複数のアウトドアツアー会社のガイドの協力を得て実施した。

　水量にも恵まれ、事前学習で生徒個々が定めたテーマを意識しながら、ガイドのレクチャーのもと大自然と激流での迫力あるラフティングを満喫した。

　生徒の一人は「事前学習があったことで、森の景色や野鳥などの生物を観察する楽しさが加わった」と話していた。

　カヌー授業は、かなやま湖において２日間実施。例年、全学年で行っているもので、６月初旬には全教員が参加する校内研修を実施し、指導法や落艇時の救助方法などを学んでいる。

　当日、生徒はカナディアンカヌーとカヤックに分かれて乗艇し、約２時間にわたってカヌーツーリングを実施。高校で初めてカヌーを体験する生徒も多い中、教員の指導のもと、全生徒がリタイヤすることなくそれぞれのペースで楽しんだ。

　ある生徒は活動を振り返り、「昨年よりも早く漕げるようになり、対岸まで進むことができた」と自身の成長を実感していた。

　冨田真哉教頭は「南富良野町には季節ごとに自然を生かした、ここでしかできない体験をすることができる教育資源がある。これらの体験を学習に取り入れることを通して、地域の魅力を再発見し、地域の将来を考えることにつなげていきたい」と展望している。

　７月上旬には、アウトドアⅠの一環で１年生を対象とした宿泊野外研修を実施する予定。

(学校 2021-07-07付)