ＩＣＴ活用学びのＤＸ推進校・網走養護　端末で試合分かりやすく　稚内養護とボッチャ交流

（学校 2021-07-09付）

的に向かってボールを投げる児童

　【網走発】道教委の新規事業「ＩＣＴを活用した学びのＤＸ事業」推進校の網走養護学校（上村喜明校長）は１日、稚内養護学校（澤田崇史校長）と連携してオンラインでボッチャ交流を実施した。両校の小学部５・６年生５人ずつ計１０人が参加。端末で的を映し出して試合の様子を分かりやすくするなど、ＩＣＴを活用して工夫を取り入れた活動を展開した。児童たちは、画面に映る友達の姿を見て手を振ったり声をかけたりして、交流を深めた。

　網走養護は、ＩＣＴを活用した学びのＤＸ事業の指定を受け、１人１台端末などのＩＣＴを活用した授業実践などに積極的に取り組んでいる。

　活動は、事業の一つとして行ったもの。小学部５・６年生の教員が中心となり、稚内養護の教員と連携してオンラインでの交流を中心に据えた全５時間の活動を計画した。

　試合の時間をできるだけ多く確保し、ルールを守ること、運動に必要な用具を自主的に準備したり片付けたりする態度を育むことが目的。また、試合時はどの場所に、どのように投げたらよいかなど、チームで作戦を立てたり、よい指示を出し合ったりする経験を通して思考力、判断力を高めることをねらった。

　コロナ禍という状況などを踏まえ、相手校の児童に自己紹介したり、自作の的やボール、ＩＣＴを活用して作成したルール解説動画を相手校に送ったりして他校の友達とのかかわりを増やすことで、他者を意識した活動につなげ、社会性の成長も期待した。

　児童たちは、事前に練習を積み重ねた上で当日に臨んだ。

　試合では、タブレット端末を上から固定して的がはっきり映るようにし、それぞれの得点を分かりやすくするなど、児童たちが楽しめるよう様々な工夫を取り入れた。参加した児童は、「楽しかった。またやりたい」「一緒に遊べてとても楽しかった」などと感想を寄せた。

　企画した網走養護の串田和哉教諭は「本番に向けて自分たちで準備する中で児童たちの熱量が日に日に大きくなっていくことを感じた。当日は普段引っ込み思案な児童がカメラの前で積極的にアピールするなど、想像していた以上に温かみのある交流ができた。次回も挑戦してみたい」と話した。

　稚内養護の宮村学教諭は「機器の使い方や接続方法など、初めてのことなので難しい部分もあったが、とても勉強になった。子どもたちもモニター越しに網走養護の友達に話しかけたり手を振ったりしながら、楽しくボッチャに取り組むことができてよい経験になった」と振り返った。

　上村校長は「現在、コロナ禍にあり、教育活動も限られている中、与えられた環境を生かしてどのような実践、取組ができるか教員の創造力と行動力が試される。様々な工夫をして、児童の学びにつながる新しい学習内容・方法に積極的にチャレンジしてほしい」と期待した。

(学校 2021-07-09付)