道教育大附属札幌小が研究大会 “It”紡ぐ学び追究 新しい時代の学び舎考える(札幌市 2021-07-13付)
オリジナルの国旗を英語で紹介した
道教育大学附属札幌小学校(髙久元校長)は9日、同校で教育研究大会を開催した。研究主題「学び舎の再こう(考・構・興)~Itを紡ぐ学び」のもと、英語や国語、算数など15の公開授業と分科会を開催。コロナ禍で多くの人が集い学ぶことの意義が揺らいでいる中、新しい時代に向けた学び舎の在り方を考える研究の一端を発表した。
本年度は、3ヵ年研究の初年度。研究主題に「学び舎の再こう(考・構・興)」を設定した。
新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、同時双方向オンライン授業システムの広がりや、インターネットを介した学びが普及した一方で、「場所に多くの人が集い学ぶことの意義そのものが大きく揺らいでいる」と考察。①学び舎としての意味・意義を再び考える②学び舎としての在り方を再び構築する③学び舎としての存在意義を確かにし、再び取り戻す―の3つについて、学び舎の意義を再定義することで、新しい時代の学校教育が担う役割を明らかにしていく。
研究副主題は「Itを紡ぐ学び」。同校は「互いが発信している様々な表現を手がかりにし、その奥にある他者の価値観や見方・考え方を共有していく過程」が、学びをより大きく深めていくために重要なものとしている。
このため、研究については他者の表現の総称を「It(Informal thought)」に設定。Itに対して、互いに働きかけ、他者の価値観や見方・考え方と自己が結び付いていく様子を「Itを紡ぐ姿」とした。その姿が、「学び舎だからこそできる価値のある学びの姿」との仮説を立てた。
開会式では、研究部研究主任の瀧ヶ平悠史教諭が研究提言。新型コロナウイルスの感染拡大で、「これまで教育現場で当たり前とされてきたことを見直すことになった」と説明した。
同時双方向オンライン授業システムの拡充など、インターネットを介した集団での学びが今後も続くことを指摘。新しいテクノロジーの推進に伴い、「学び舎における学びの真の価値は何だったのか」を明らかにする必要性を示した。その上で、「変わり続ける時代の先に何を残すべきで何を改めるべきかを問題提起することが目的」と述べた。
公開授業のうち、西本有希教諭が3年2組(児童数32人)英語科「This is my flag.~マイフラッグを紹介しよう」を指導した。
単元では、フラッグの特徴に関する説明をしたり・聞いたりすることで、他者に配慮しながら、思いや考えを伝え合う態度の育成を目指している。
本時は、4時間扱いの3時間目。目標を「マイフラッグを紹介し合う活動を通して、模様の色や形、配置や大きさ、数などの特徴に着目し、思いや考えを理解してもらうための、よりよい表現方法を探りながら伝え合うことができる」に設定した。
児童たちは前時までに、世界各国の国旗で使用されている色・模様に込められた意味や、「I have」「I like」などを使用した会話について学んできた。
本時では、西本教諭が「自分のこだわりが相手に伝わるように紹介しよう」と呼びかけたあと、児童は作成してきたオリジナルの国旗を各グループ内で発表。「I have a green rectangle」「I like a redstar」などと、自分が国旗に込めた意味を説明した。
グループでの活動後、西本教諭が「どうすれば自分のこだわりが相手に伝わると思うか」と問いかけた。児童からは「長さが違うときには、“I have a long rectangle”などの表現がいいと思う」「星が小さかったので、“big”や“small”など大きさの表現があると良い」などと発表した。
このあと、グループ以外でペアになり自分の国旗を紹介。次回の発表に向けて、改善に取り組んだ。
(札幌市 2021-07-13付)
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