札幌市みどり小６年生　機器使い測量に挑戦　専門業者の指導で体験学習

（札幌市 2021-07-14付）

測量の役割を学ぶ児童

　札幌市立みどり小学校（庄司ひさ子校長）の６年生５７人は８日、算数の時間の一環として同校グラウンドで行われた測量体験学習会に参加した。測量技術者の説明を受けながら、現場で実際に使用されている測量機器を操作し、距離の測定に挑戦した。

　学習会は、札樽地区測量設計協会の若手で構成する札樽若力会（舟田幸太郎会長）と国土地理院北海道地方測量部との共催。平成８年から小学６年生を対象に年間１校ずつ実施しているもの。昨年はコロナ禍で中止となり、２年ぶりの開催となった。

　２６校目となる今回も若力会の会員が講師を務めた。児童は、教室で測量の歴史や社会での役割を学習した上でグラウンドに移動。８班に分かれて、測量体験に臨んだ。

　測量機器のトータルステーションを使って、技術者から距離の測定方法の指導を受けたほか、日本地図を制作した伊能忠敬の測量法である歩測にも挑戦。児童は、自分の身体を物差しとして、２０㍍の距離を計算して歩き、正確さを機器で測定した。

　児童は「見たことのある測量を実際に体験できてよかった。やりがいのある仕事だと思った」と貴重な体験に目を輝かせていた。

　また、実際の測量で用いられるトラバース測量も体験。初めて触れる測量機器に興味津々の児童たちは、技術者の指導のもと、真剣な表情で作業に取り組んだ。計測した点を線でつなぐとグラウンドに北海道の形が浮かび上がり、児童たちから驚きと歓喜の声が上がった。

　庄司校長は「目に見えていないところにも生活を支えている仕事があることを知る貴重な機会となった。将来の選択肢の１つとして考えてもらえれば」と子どもたちの成長に期待した。

　舟田会長は「測量は私たちの住む街や社会をつくる大切な仕事。この体験を通して測量の仕事を知ってもらい、興味をもってもらえたら」と話した。

　最後に、ドローンによる記念撮影をし、学習会を締めくくった。

　また、学習会の記念として、校章をモチーフとした測量基準天板石を寄贈し、敷地内に埋めた。

(札幌市 2021-07-14付)