道教委　幼児教育振興基本方針改訂へ　施設種越えた連携深化を　専門人材活用した研修促進

（道・道教委 2021-07-29付）

　道教委は２７日、第１回道幼児教育推進協議会をオンライン開催し、令和５年度からスタートする道幼児教育振興基本方針の改訂に向けた検討を開始した。現行方針における目標指標の進ちょく状況を踏まえ、専門人材を活用した研修機会のさらなる充実など、より活用しやすい助言制度の工夫を講じることを確認。倉本博史教育長は、域内における施設種を越えた連携が一層重要になっているとし、国の動向も踏まえつつ検討を進める考えを示した。令和４年３月に骨子案を作成し、５年３月の改訂を目指す。

　現行の道幼児教育振興基本方針は、平成３０年度に策定。すべての幼児教育施設が質の高い教育を提供する研修機会の確保や助言体制など、幼児教育充実のための基本的な方向性を示し、オール北海道で幼児教育の振興に取り組むことを目的としている。

　計画の期間は令和４年度まで。社会情勢の変化や幼小接続の一層の強化に向けた国の動向などを踏まえ、２７日の道第１回幼児教育推進協議会において改訂作業に着手した。

　次期計画は、国の教育振興計画などとの整合性を踏まえ、５～９年度の５年間と設定。現計画における課題解消に努めるともに、幼児教育をめぐる環境の変化を踏まえた方向性を定める。

　現行方針における目標指標の進ちょく状況をみると、各管内におけるＩＣＴを活用した遠隔研修の実施率は１００％に達した一方で、幼児教育の専門性を有する人材を活用して園内研修などを実施した割合は半分にとどまっている。このため、新しい方針では、より活用しやすい助言制度となるよう工夫を講じることを確認した。

　今後の改訂スケジュールをみると、道幼児教育推進協議会と協議会の部会において、現行方針における課題を明確化。８月末にまとめる幼児教育実態調査の結果を踏まえ、課題と施策の方向性を整理する。４年３月に改訂版の骨子案、同年７月に素案を作成し、同年１０月にパブリックコメントを実施する予定。道議会議論などを経て、５年３月の教育委員会での方針決定を目指す。

　倉本教育長は協議会で、現行の方針策定後、域内における施設種を越えた連携が一層重要になっていると指摘。文部科学省の幼児教育スタートプラン構想など国の動向を踏まえ、改訂に向けた検討を進めていく考えを示した。

(道・道教委 2021-07-29付)