札幌市　第１回文化財保護審議会　指定の在り方検討へ　普及講座等は継続

（札幌市 2021-08-04付）

　札幌市市民文化局は７月２６日、オンラインで本年度第１回市文化財保護審議会を開いた。本年度実施予定事業として、前年度に引き続き、文化財保護指導員による普及講座や冊子『札幌の文化財』『文化財めぐりマップ』の配布を予定。市指定文化財制度等の運用などに関する現況調査については、今後の文化財指定の在り方等について必要に応じ検討することにした。

　本年度の第１回審議会は新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点からオンラインで実施した。

　はじめに、事務局が令和２年度事業について報告。昨年１２月に市資料館（旧札幌控訴院庁舎）が国の重要文化財として指定されたことや新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、各施設とも休館や利用制限等を含む対策を実施したこと、８月に観光需要喚起策として、時計台・豊平館の両施設が市有施設無料化の取組に参加したことなどを伝えた。

　また、文化財課所管施設を計画的に修繕するため、平成２９年度から開始している文化財施設保全事業にふれ、豊平館付属棟および札幌村郷土記念館の保全計画策定、各施設の計画を統合した全体の保全計画策定などを行ったことを報告した。

　このほか、文化財の普及啓発や時計台創建記念日記念行事、子どもの提案・意見募集事業、北海道遺産デザインコンテストなど、各種取組を実施したことを確認した。

　本年度事業では、市所有文化財の保存・活用や無形文化財保存伝承事業を引き続き実施。文化財保護指導員による普及講座や冊子『札幌の文化財』『文化財めぐりマップ』の配布を継続して行う。

　また、埋蔵文化財保護事業として①発掘調査事業②普及啓発事業③丘珠縄文遺跡運営管理事業―など予定。いずれも、新型コロナウイルスの感染状況を注視しながら、実施の是非を含め、対策等を講じるとした。

　このほか、昨年１０月に実施した市指定文化財制度等の運用等に関する現況調査について、調査結果および直近の文化財保護法改正を踏まえ、今後の市の文化財指定の在り方等について必要な検討を行うことを確認した。

(札幌市 2021-08-04付)